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大久保邦彦研究科長 就任インタビュー

2016年4月
大久保邦彦研究科長 就任インタビュー 

 常に笑顔でいることを心がける大久保邦彦先生は、平成20年からOSIPPに教授として在籍していますが、今年4月よりOSIPPの研究科長に就任しました。そこで、大久保先生にインタビューを行い、ご自身の経歴、教育方針、OSIPPへの展望等について伺いました。

 

■経歴 

 大久保先生は大阪出身で、京都大学法学部では刑法と民事訴訟法のゼミに所属しました。「最初は、国際政治学の高坂正堯ゼミに入ろうと思っていましたが、ゼミの説明会に行くと、40人くらいの希望者がいました。学生が多いとおもしろくないので、当時は不人気の刑法ゼミ(本ゼミ生は5人)に入りました。その後、法律の勉強もおもしろいと感じるようになり、また、サラリーマンにはなりたくなかったので、弁護士になろうと思い、翌年は、司法試験受験生が多い民事訴訟法のゼミにオブザーバーとして参加しました。」

 卒業後、引き続き同大大学院法学研究科へ進学し、大学院では一番就職しやすい民法を専攻しました。大学院時代には、請求権競合論という民法と民事訴訟法の交錯領域を研究していました。「大学院に入った頃は、ゼミに入っていたこともあり、法律の中で、民事訴訟法が一番好きでした。しかし、大学には、民事訴訟法のポストは少なく、民法のポストは多いので、研究者として就職しやすい民法を専攻することにしました。ただ興味は民事訴訟法のほうにあったので、当初は、民法と民事訴訟法の交錯領域を研究しました。」 また、オーストリアに留学経験があり、オーストリアの法学方法論を学んだことで、民法のみならず法学方法論も研究しています。

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 大学院修了後、平成3年4月から平成5年3月まで、京都大学助手をしていました。その後、平成5年4月から10年間、大久保先生は神戸学院大学法学部に講師・助教授をしていました。その間、平成11年4月 から平成13年3月まで、大久保先生はウィーン大学法学部民法研究所に客員研究員として留学していました。さらに、平成15年4月から5年間、大久保先生は甲南大学教授をしていました。そして、平成20年4月から、OSIPPで任職中です。

 

■研究科長としての抱負1 学位制度改革 

 平成27年度大阪大学法学部の卒業者中、OSIPPへ進学したのは3人でした。現在のOSIPPでは、法律分野の学生が経済、政治に比べて最少です。入学志望者を増大させるべく、OSIPPでは、法学博士及び経済学博士の授与を可能とするようなカリキュラム開発を行っており、これを早期に実現したいと考えています。

 

■研究科長としての抱負2 グローバル化

 OSIPPの I がInternationalであるように、OSIPPは従来よりグローバル化に力を入れてきました。現在(平成27年5月1日)では、留学生は40%、78人に達しています。これからは、国際連携先の重点地域である東アジア及びヨーロッパとの連携をより一層強化していくつもりです。とくにSingapore Management University(シンガポール)やハンブルク大学(ドイツ)との学術交流協定の締結を目指していきます。また、博士前期課程及び博士後期課程において、平成26年度の英語による講義数は総講義数の8.35%を占めていましたが、これから英語による授業のみで学位を取得できるカリキュラムの開発を検討します。

(OSIPP博士前期課程 LIU PAN)

 OSIPP HP   ⇒ 研究科長メッセージ

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