Eventsセミナー・シンポジウム

駐日オランダ王国特命全権大使 講演会

OSIPP創設20周年記念講演シリーズ第9回

  11月11日、駐日オランダ王国特命全権大使のラーディンク・ファン・フォレンホーヴェン氏(H.E. Mr. Radinck Jan VAN VOLLENHOVEN)を迎えて、OSIPP20周年記念講演会「日本とオランダ王国」が開催されました。

 フォレンホーヴェン大使は、まず自国の外交について、理想主義と国際協調主義を基軸とし、グローバル化が進む現代の国際社会においては開放経済を推進してきたと述べられました。オランダと欧州連合(EU)との関係にも触れ、「EUという世界最大の単一市場は、小国であるオランダ経済の成功に不可欠である」と強調されました。

 大使は、オランダは、国内政策として手厚い社会福祉制度を整備し、安定した政治体制を保持してきた一方で、目下、先進国に共通する高齢化社会や、トルコやモロッコから流入してきたイスラム教徒などマイノリティの統合、国内労働市場の再構築などの問題に直面していると話されました。

 最後に、日蘭関係については、江戸時代から続く歴史を振り返り、第2次世界大戦における敵対関係を乗り越えて、政治経済ともに密接な関係を構築してきたと評価するとともに、長年にわたる天皇家とオランダ王室との友好関係にも言及されました。

 質疑応答では、トルコのEU加盟問題、オランダにおける人権政策、移民の統合政策などに関する質問が投げかけられ、学生や教員ら約30人の参加者とともに活発な議論が交わされました。

(OSIPP博士前期課程 栗山緋都美)