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第5回大阪大学豊中地区研究交流会 -知の共創-

OSIPPからは鎌田拓馬准教授・二杉健斗准教授が発表


2020年12月17日にオンライン会議システムRemoを用いた第5回大阪大学豊中地区研究交流会が開催された。豊中キャンパスに在籍する教員・学生、文系理系問わず様々な研究成果を報告する場となっており、参加者も約60人と盛況であった。 OSIPPからは鎌田拓馬准教授、二杉健斗准教授が発表した。

 

鎌田先生においてはFamily Structures After Terrorism: A Quantitative Case Study of the Tokyo Subway Sarin Attack in 1995”というタイトルでの発表で、1995年の地下鉄サリン事件で離婚率がどのように変化するのかに関する研究であった。離婚率の変化をテロ前後、東京23区と神奈川・千葉・埼玉の政令指定都市、さらにサリン事件の起きた地下鉄の沿線区とそれ以外の区で比較を行い分析していた。地下鉄サリン事件以降離婚率が減少しているという結果が得られていた。(左上写真:鎌田先生が研究内容を説明中。各机に先生方が配置され、机周囲の青い椅子をクリックして着席すると説明が聞けるシステム。)  

(上記写真:二杉先生が研究内容を説明中。)

二杉先生においては「国際法を企業が使う‐外国投資の国際レジームの研究」というタイトルで、国際法において企業、投資家をどのように位置づけるべきなのか、また彼らの登場が国際法の体系をどのように揺るがすのかということに関する研究の発表をした。例として、従来、国家や国際機関が主体となって行われていた宇宙領域における企業の宇宙ビジネスの展開に関しての問題が提起された。またデータ分析の国際法分野への応用へも関心を示しているとのことであった。    

 

両先生方の発表において様々な質問が上がっていたが、特に同じ研究分野の研究者ではない研究者の方からの質問は新たな角度からのものが多く、このイベントの醍醐味だと感じた。通常であれば自分の研究に対して同じ分野、同じ学会に所属する研究者からの指摘を受けることが多いだろうが、本イベントでは全く異なる分野、理系・文系という分野も超えて色々な質問が飛び交うのは発表者、オーディエンス共に非常に良い刺激となるのだろうと感じた。このようなイベントが今後も発展していき、分野を超えた学問の発展が進むことを願うばかりであった。  

(博士前期課程2年 海東冴香)