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久木田 純 氏(国連フォーラム共同代表)講演会

 「国連職員の人生計画/ユニセフの問題解決法」

 5月11日、OSIPPが開講する「特殊講義(国連政策エキスパート・キャリア形成論)」の一般公開講座として、久木田純氏(前ユニセフ駐カザフスタン事務所代表、国連フォーラム共同代表)をお招きし、「国連職員の人生計画/ユニセフの問題解決法」と題した講演会を開催しました。

 第一部「国連職員の人生計画」では、久木田氏自身が18歳の時に構想した100歳までの人生計画を中心に、人生計画を立てるべき理由とその利点について語られました。久木田氏は自身の人生の使命を、「可能な限り自己の成長と幸せを求めると同時に、人類社会の進化とともに生きること」であるとし、その使命を果たすために人生計画を立ててきたといいます。そうした人生計画を立てることは、現場の仕事で必要とされる、困難に打ち勝つ力や誠実さなどを身につけることにつながったそうです。また、久木田氏は、国際公務員としての30年間を振り返り、国連は高い目標を持つ有能な職員を同僚として働くことができ、また、常に世界の最先端の技術や政策議論を学ぶことが出来る魅力的な職場であると語られました。一方で、国連における日本人職員の少なさを指摘し、日本人が国連でのキャリアを目指す際、国連機関が職員に求める能力を理解し、面接における自己プレゼンテーション能力を鍛える必要があると強調されました。

 第二部では、世界のこどもの権利を守る上での「ユニセフの問題解決法」について、久木田氏自身のご経験をもとに語られました。久木田氏は、問題解決方法として、「パートナーシップ」、「ポリシー・アドボカシー」、「ファンド・レイジング」を挙げられ、「ユニセフは問題解決のためにあらゆる手段を尽くす」と強調されました。特に資金調達はプロジェクト運営において最も重要な課題であり、久木田氏は、自身が尽力されたポリオ根絶事業を例に、ユニセフは理想を掲げるだけでなく現実的にファンド・レイジングに注力することで、予算不足という国際機関共通の問題に対して他の機関よりも優れた解決能力を発揮していると語られました。

 その後の質疑応答では、ユニセフのプログラム実施や継続性、資金調達などに関して多くの質問が飛び交い、学内外の参加者ら約50人とともに活発な議論が交わされました。

(OSIPP博士前期課程 栗山緋都美)

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