【院生投稿】栗山智帆さん(OSIPP博士前期課程)
2016.4.26
私は、大阪大学人間科学部を卒業後、国際公共政策研究科に進学しました。OSIPPへ進学したのは、さまざまな社会問題を政策で変えていきたいと思ったからです。私は、学部時代から国際協力や多文化共生に関心があり、ボランティア活動に取り組んでいました。その中で、現場で問題を解決することの限界を感じ、法律や政治について勉強してみたいと思うようになりました。
とはいえ、私がOSIPPへ入学したいと思ったのは、大学4年生の秋でした。その頃は、民間企業へ就職するのか、大学院へ進学するのか、毎日毎日悩み苦んでいました。大学院で勉強したい気持ちもある一方、金銭的な問題や卒業後に就職できるのか、社会人になった方が自分の成長につながるのではないか、という思いもあったからです。最終的には、ある先生に「修士2年間なら就職もできるし、むしろやりたい仕事が見つかると思うよ」と言われたことがきっかけで、OSIPPに入学することを決意しました。
結論から言うと、私はOSIPPに進学して本当によかったと思っています。入学する前は、大学院がこんなに大変で、毎日がこんなにも刺激的であるなど全く想像もしていませんでした。初めて読む英語の論文に四苦八苦しながら、授業で知識を身に付け、それを自分で深めていく。それは苦しくも、非常にワクワクする時間でした。また、大学院に行かなければ、知ることのなかったであろう世界に出会うことができました。憧れていた国際機関でのインターン、専門家の集まる勉強会、国際的なシンポジウム。自分の未熟さを痛感する一方で、研究へのモチベーションが高まりました。
一番懸念していた就職ですが、私は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングから内定を頂き、希望していたシンクタンクに就職することができました。学部の時とは違い、修士論文を執筆しながら行う就職活動は、精神的にきついものがありましたし、修士であるという自分のプライドが邪魔をして、私は相当なプレッシャーを感じていました。しかし、学部の頃よりも、自分の思いやその根拠を、自信を持って伝えることができるようになっていたことで、学部の時には手が届かなかったシンクタンク業界に挑戦することができました。自分の思いを実現することができる会社に巡り会えたのは、OSIPPへ進学したおかげだと思っています。
すでに社会人となり、立派な功績を残している友人を見ると、自分が大学院に行っていることに対して引け目を感じたことも何度もありました。しかし、大事なのは、いかに自分で考え、行動するかだと今は思います。私は人生を後悔しないよう、これからも日々一生懸命努力していきたいと思います。
※左上の写真はスイス、右上の写真はイギリス滞在時の写真。 栗山さんは、2016年3月にOSIPP博士前期課程を修了されましたが、 この記事はOSIPP在籍時に投稿されたものです。