【院生投稿】羽柴 礼 さん(OSIPP博士前期課程)
2016.4.26
幼い頃から「海外」という自分の知らない世界に興味を持ち、これまでアメリカ合衆国、ハンガリー共和国、フランス共和国と3度の留学、国連ニューヨーク本部での1ヶ月研究を経験しました。特にフランス、リヨン政治学院に在学した時には政治学という分野に初めて触れ、文学部であったにも関わらず政治学についてもっと知りたいと感じるようになりました。現地で生活するにつれ、フランスの掲げる共和制と実際に行われている移民に対する待遇、政策にギャップを感じ、そのギャップは何が起因しているのかという疑問が大きくなりました。そんな時、高校生の時にハンガリー語を教えてくださっていたハンガリー人の先生がOSIPPの卒業生で私もいつかそんな国際的な環境で学びたいと思っていた事を思い出し、OSIPPへの入学を決めました。しかし、大学時代には、文学部に所属し、国際関係学をはじめとする分野の知識が全くなかったこともあり、途中で受験することを諦めかけた事もありました。そんな時、村上正直教授とお会いし、「OSIPPは様々な角度から学び、様々な考え方の人がいるところです、全ての分野を網羅している人はいませんし、知識が全くなくても基礎から知識を学ぶ環境が整っているところです。」というお言葉をいただき、OSIPPに入りたいという思いが強くなりました。
必死の勉強の甲斐あって見事合格しOSIPPに入学してみると、村上教授がおっしゃった通り、まずM1の春学期には国際関係論基礎などの科目があり、経済学に関しては入学前から手厚く講義をしてくださいました。さらに、OSIPPでは、政治学、法学、経済学の3つの視座から研究ができるため、「この問題は、他の分野の観点からではどのような考え方をするのだろうか」などの疑問を持つと、その分野の専門的知識をお持ちの教授がいらっしゃるので多くのヒントや考え方を与えてくださり、問題に対する新しい着眼点などを発見する事ができます。また、留学生も多数在籍しており、多くの授業が英語で行われ、毎回様々な意見が飛び交うディスカッションが繰り広げられます。国籍、人種の垣根を超え、自らの意見を発表し、また他の生徒の意見を聞く事で論理的なものの考え方を学ぶ事ができます。
博士前期課程1年を振り返り、OSIPPでの授業の質の高さ、生徒の探究心の深さというものを実感しています。OSIPPの授業内でのディスカッションでは「なぜそのような政策がおこなわれているのか?」「問題を打破するためにはどのような事をすれば良いのか?」など常にそれぞれが疑問を持ち、思考しながら参加しています。また、その授業を形作ってくださる先生方も答えをすぐに提示するのではなく、それぞれの生徒の意見を全員でシェアし、考える機会を多く取ってくださいます。3月から就職活動も始まり、研究とのバランスをとる事にまだ齷齪している状態ですが、自らの目標を達成するために常に自分に厳しく探究心を忘れずに、乗り越えていきたいと考えています。
※トップの写真はOSIPPにて、右上の写真はヨーロッパ旅行の際ジュネーブにて撮影。
3枚目左下の写真は、ニューヨーク国連本部。