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教員活動紹介:竹内俊隆教授

フィリピン・マニラ滞在記―デラサール大学にて


 昨年(平成27=2015年)10月から本年4月中旬までのわずか半年間ではあるが、サバティカルをいただいて、フィリピン・マニラにあるデラサール(De La Salle)大学(院)国際関係学部で客員教授を務めた。デラサール大学は本研究科と関係が深く、現在ダブル・ディグリー・プログラムで数名の院生を受け入れている。こちらからは短期プログラムでの派遣実績がある。同大学は、カトリック系の私立大学で、フィリピン有数の難関校である。学生は高所得層の子女が多く、日本で言うと慶応大学のような感じであろう。珍しく3学期制で、3年で卒業できるシステムをとっている。私は大学院修士課程の1科目(3単位)だけを1学期間(1月初めから4月中旬まで)担当したが、週1回夜の6時から9時までが授業時間であった。院生は大半が社会人であり、キャリアアップを目指す人が中心で、中学・高校に相当する学校の先生が結構いた。交通事情が極端に悪い中、2時間かけて通っている院生もいたようだ。

 デラサールだけかもしれないが、朝のなんと7時半から授業が始まる。また、授業日は月曜日から木曜日で、金曜日は通常は授業がない。しかし、土曜日に授業があり(朝の7時半から可能)、私も含めて多くの先生は補講の時間に充てていた。逆に言うと、補講が簡単にでき、学生もそれを当たり前のごとく受け止めるので、国際会議などに出席しやすかった。朝の9時には国歌が流れ、正午と午後5時(6時だったかな?) は聖書の朗読と思われる放送があり、全員が立ち止まって目礼をしていた。国旗の掲揚に反対がある日本の学校とは全く異なる。さらに言うと、正式な行事や会議の前には、必ず聖書の一節を唱えていた。宗教がらみで言うと、3月後半にキリスト教の行事で全国的に休日になる時期が数日ある。このとき、何とわずかしかないマニラの軽軌鉄道(LRT)が閉鎖されていた。大学の閉鎖ならまだわかるが、鉄道が動かないのである。通常でも、LRT は(もう一つMRTがある)夜の9時半が最終で、不便極まりない。どうしても、タクシーやジープニー(簡便乗り合いバス)を使わざるを得ない。

 大学の環境は、東京都心の私立大学のように、キャンパスが狭く建物が林立している感じである。キャンパスは交通量がきわめて多い大通りに面し、大学の構内とは鉄格子で区切っている。構内のその反対側は壁で区切られ、どぶ川を挟んで低所得者層が住む下町地帯である。学生がお金持ち階層出身ということもあり、セキュリティーが信じられないくらい厳格である。顔写真・磁気付きの身分証明書を目に見えるように首から吊り下げて常に携帯し、それを機械にかざして守衛(ガードマン・ウーマン)の確認を受けて初めて入構できる。ナップサックの中身や腰回りを確認される場合すらある。日曜日その他の祝祭日には大学が閉鎖され、教員と雖も特別許可証をもらわないと入構できない。当初は実に戸惑った。各教員に研究室はなく、全員が中学・高校の職員室のような部屋に机を持っているだけで、秘書は全員に一人しかいない。しかも、非常勤講師だけではなく大学院生その他と、同じ部屋であった。

 フィリピンの一般的な印象としては、社会インフラは不十分もいいところであるが、毎年6、7%程度の経済成長を遂げている。少子高齢化の日本と異なり、若い人が多く、今後に期待できる国である。フィリピン人の気質も明るく開放的で好感が持てる。今回は仕事に追われて全く余裕がなかったが、海岸にはリゾート地も多く、そこでゆっくりするかマリンスポーツを楽しむのも一計であろう。

 写真は、今度大統領になった強面のデュテルテ氏(当時はダバオ市長)と、昨年末に偶然マニラ空港で鉢合わせしたので、ミーハー的に撮った写真である。残念ながら何の面識もない。

 

OSIPP教員紹介:竹内俊隆 ⇒教員プロフィール

竹内俊隆教授 Personal Website ⇒竹内俊隆研究室

 

【業績紹介:⇒竹内俊隆研究室 リンク集(学外)より】

1) 日本は国連安保理改革努力を続けているが、改革及び常任理事国入りは難しい状況と論じた。
East Asia Forum : Japan’s quest for UN Security Council reform going nowhere, 26 February 2016
 
2)インドのInstitute for Defence Studies and Analyses
(IDSA)で新安保法制を説明し、ペルシャ湾での掃海活動の可能性を論じた。
West Asia Conference by IDSA, India: Energy and Changing Geopolitics of West Asia -Takeuchi Toshitaka, Jan. 20,2016
 
3) 日本の使用済み核燃料の貯蔵/処理は限界に近づきつつあり、処理の見通しは暗いと論じた。
JAPANTODAY: Japan’s nuclear energy and waste storage policy quandary AUG. 12, 2014