在学生

【院生投稿】島田潤真さん(OSIPP博士前期課程)

   OSSIPならではの学生生活

 私は大学時代、英語の教員になることを志望していました。しかし、海外留学やホームステイを経験するうち、言語の意義とは手段にあると次第に感じるようになり、また学ぶ程に自分の知識・経験が教師として相応しいものに達していないと考えるようになりました。一方、中国、そしてアメリカに滞在する中で、食品における内外価格差に関して興味を抱くようになりました。自身が地方出身とのこともあり、衰退すると言われる日本農業への心配の念と、その高い関税率に依存する閉鎖的な環境に対する疑義とが重なり、この分野について更に研究したいとの思いが増しました。OSIPPでは学びたい裾野は異なれ、各人が英語で自身の興味をより専門的に追及出来るという共通項があります。そして、その為の環境も用意されています。その意味で、私にとっては魅力的な選択肢でした。

 OSSIPの様子を少し紹介すると、留学生比率は高く、各授業は基本的に英語によって執り行われます。レジュメ作成やプレゼン等に於いても英語での知識を前提として、学びを深化させることが出来ます。また、個人のペースに従って成長出来るので、弱みがある部分は授業を通じて補うことが可能です。留学が可能な提携大学も世界中の各地域に位置しており、国内政治、紛争研究、貿易政策、など現地の知見を要する研究に従事したい方には良い選択となるでしょう。

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 例えば、私は農業政策・国際経済学・貿易政策を学習すると共に、他国の農業・貿易政策を実際に現地で学習したいとの考えから、オランダへの留学を希望しました。提携校の一つであったフローニンゲン大学への留学は、当時OSSIPで実施されていたダブルディグリープログラムの存在が大きな支えとなりました。現地では、国際関係論修士課程に在籍する傍ら、両国間における農業政策の比較研究を行い、各授業に於いて知見を養いました。校内には大阪大学の支部が併設されており、長期滞在に於いて重要な点を、英蘭日語に通じたインストラクターに指導して頂ける機会もあります。その意味で非常にリラックスしながら、実のある留学生活を送れたと実感しています。例えば、不得意であったプレゼン、英論文作成も理論、方法論を含めて一年間で大きく改善され、また多くの友人が出来たことで口語の使用に関しても以前より各段にこなすことが出来るようになりました。その縁もあって休暇中には、フランス、ベルギー、ドイツへの旅行を計画し、ヨーロッパでの生活をより近くで体験出来たと感じています。

 大学院では、自身の興味を深め、研究し論文にするという喜びがあると思います。その一方で、多くの文献に目を通し、客観的かつ事実に基づいた論文を完成させなければなりません。私は、英語での論文作成に挑戦しましたが、多くの困難に直面しました。ただ、この経験で、度重なる失敗から試行錯誤を重ねて壁を乗り越えていくことで人は大きく成長できるとも学びました。その際、OSIPPでの経験が生かされていると思うことは多々あります。是非、OSSIPへの進学を検討してみてはいかがでしょうか。