Events

2024年度 OSIPP 海外インターンシップ・海外調査奨学金 報告会

OSIPPの国際交流委員会では、学生に海外での国際公共セクターの実務経験の獲得を奨励し、現場感覚を持った国際公共政策の研究者や実務家を育成することを目的として、学生の「海外インターンシップ」を助成してきた。2024度からはインターンシップだけでなく実地調査についても助成の対象としている。2024年度は3名の学生が奨学金で海外現地調査を行った。その成果報告会は、オンラインで2025年3月24日に英語で実施された。

 

はじめに、本プログラムの担当教員の一人であるHawkins教授から挨拶があった。その後、報告者からの発表が行われた。

発表中の山本さん

・山本葉月さん: シエラレオネ (海外調査プログラム参加)

博士前期課程1年の山本さんは、現在はOSIPPのダブルディグリープログラムに参加し、オランダのグローニンゲン大学に留学中である。今回、海外調査でシエラレオネに赴き、現地の大学での10日間のプログラムに参加したことについて、「このプログラムでは実地調査の実践とその倫理を学んだ。調査を行う際に、自分のポジショナリティ(立場性)について認識することが大事だと学んだ」と述べた。

 

 

発表中のJARAMILLOさん

・JARAMILLO ABAD Gleymang Yubertさん : ペルー (実地調査)

博士後期課程1年のJARAMILLOさんは、今回の実地調査で、政府機関、私的機関と市民団体などの12機関、37人にインタビューを行った。JARAMILLOさんは自身の研究で計量的手法も用いるが、インタビュー調査のような質的手法も用いている。「両方の手法を組み合わせることで、より深くトピックについて観察できる」と話した。

 

 

・Nguyen Phuong Thaoさん: ベトナム (実地調査)

博士後期課程1年のNguyenさんは、メディア関係者、行政や関連分野に携わる専門家も含めて10人にインタビューを行った。インタビューの回答は多様であり、各専門家の職業的背景がその違いに影響を与えていたとのことだった。今後も継続的に専門家との対話を行い、研究をさらに深めていくとのことだった。

 

報告者の発表後には活発な質疑応答が行われ、本プログラムが助成した調査の内容とその展望について語られた。報告会には多くのOSIPPの教員も参加しており、鋭い質問が投げかけられる場面もあった。

外国を対象とした研究を行う学生が多いOSIPPでは、海外でのインタビュー調査を研究手法の一つとして考える学生もいる。しかし、海外渡航には多額の費用がかかるため、経済的な負担が大きな課題となる。このプログラムは、そうした学生を支援し、OSIPPに所属する学生の調査手法の幅を広げる貴重な機会を提供するものである。今後、海外でのインターンや調査を検討している学生は、ぜひ今年度の申請を考えてみてほしい。

(学生の学年は2024年度のもの)

(OSIPP博士前期課程 奥野愛理)