ノーベル平和賞受賞「チュニジア国民対話カルテット」講演会
2016.8.24
対話のパワー:市民社会とボトムアップの民主主義構築
ノーベル平和賞受賞「チュニジア国民対話カルテット」講演会
2016年7月21日、大阪大学会館講堂にて講演会『対話のパワー:市民社会とボトムアップの民主主義構築』が開催され、学内外からの多くの聴衆が豊中キャンパスに集まりました。本講演会では、2015年度ノーベル平和賞を受賞した「チュニジア国民対話カルテット」をお招きし、民主主義社会への転換期における国民対話の取り組みと、チュニジアの将来について談論がなされました。
「チュニジア国民対話カルテット」は、2011年のジャスミン革命後の反政府派と政府支持派の対立の中で、労働総同盟、人権擁護連盟、商工業・手工業経営者連合、全国法律家協会によって結成されました。破綻しかけた民主主義移行プロセスの救済にとりかかるべく、対立する各派の仲介役となって新憲法制定に至るロードマップを提示し、対話を通じて合意形成を図りました。
本講演会の初めに、星野俊也大阪大学理事・副学長が「貴重なお話を伺えることに大変感激している。チュニジアの奇跡から我々日本も学ぶべきことが多くあるだろう」との挨拶を述べました。その後「チュニジア国民対話カルテット」のうち、3団体の代表であるフサイン・アッバースィー労働総同盟事務総長、アブデッサッタール・ベンムーサー人権擁護連盟会長、そしてウィダード・ブーシャマウイー商工業・手工業経営者連合会長から講演がなされ、「チュニジアの民主化は未だ発展途上にある。今後、経済・社会問題の解決とさらなる発展のために“日本の奇跡”を見習う必要があると同時に、日本政府と日本の皆様からのあらゆる協力を期待している」と述べられました。
質疑応答では限られた時間の中ではあるもののチュニジアとその民主化について盛んに議論が行われました。3氏による熱演に会場から喝采が送られて、会は閉幕しました。
(OSIPP博士前期課程 芥川 晴香)
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