Events研究科行事

論文口頭報告審査会

12月6日から8日にかけて、「論文口頭報告審査会」が開催されました。修士号申請者は各自20分、博士号申請者は各自40分が割り振られ、その中で自身の報告を行うとともに、審査委員の先生方からのアドバイスを受けました。

修士号申請者の一人、桒原響子さんは、「第二次安倍政権下の対米パブリック・ディプロマシー―その実態と効果についての一考察―」と題する論文を報告しました。報告では、日本の対外発信能力、つまりパブリック・ディプロマシーについて、その歴史的変遷を辿りつつ、2014年度から2016年度のアメリカを調査対象国として2015年度の日本の対米パブリック・ディプロマシーへの総括的評価及び今後の日本のパブリック・ディプロマシーについて具体案を提言しました。

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また、博士号申請者の一人、日高薫さんは、「非人道的兵器の禁止条約参加をめぐる国内政治―米国の政策決定過程にみる軍の役割」と題する論文を報告しました。本論文は、「非人道的」兵器を禁止する条約に、対象兵器の保有国が合意するのはなぜかという問いをもとに、生物兵器・化学兵器・対人地雷という三つの条約に対するアメリカの対応を実証分析しています。報告では、「条約参加に伴う軍事的コスト」について、政策決定にかかわる人々と軍関係者の間に「情報の非対称性」が存在することが、条約への参加・不参加を決定することに影響すると主張されました。

学位申請者は、審査委員の先生方からのアドバイスを参考に論文を加筆修正し、1月上旬に論文を提出します。

(OSIPP博士前期課程 堀田奈穂)