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アラン・マッキー判事の難民法講座

11月27日、英国移民裁判所元判事、国際難民法判事協会元理事長であるアラン・マッキー判事をお招きし、難民法講座がOSIPP棟で開催されました。

本講座は、「難民・他の国際的保護に関する法・原則の特殊性」と「信憑性評価および迫害をうける現実的なおそれの国際基準」と題された2つの講義から構成され、アラン・マッキー判事に、難民法の特殊性、難民認定手続の信憑性評価等、難民法の重要論点を解説いただきました。

マッキー判事は、難民の保護の有り様を理解するためには「難民の地位に関する条約(難民条約)」の理解が重要であるとし、とくに同条約の46の全条文を精読することで、「難民保護の概念全体を理解することができる」と指摘されました。さらに判事は、難民条約において難民が持つ権利は、庇護を受ける権利ではなく、庇護を求める権利であること、また、難民条約は「状況の変化に応じ、時と共に変わる『生きている文書』」であるとの2点を強調されました。そして難民としての地位認定について、「他の訴訟とは異なり、争点の大部分が過去ではなく、難民の将来についてである」と述べ、認定判断にはより複合的なアプローチが必要であるという指摘をされました。

質疑応答では、難民認定の判断基準や日本における難民申請を中心に多くの質問が飛び交い、弁護士や学生ら約30名の参加者とともに活発な議論が交わされました。

 (OSIPP博士前期課程 栗山緋都美)

 

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主催:大阪大学大学院国際公共政策研究科稲盛財団寄附講座