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Global News Viewの紹介

Global News Viewの紹介


2010年10月からOSIPPに着任し、メディア研究、アフリカ研究、紛争研究を中心に教鞭を執っているVirgil Hawkins准教授が、2016年にメディア研究機関Global News View(以下、GNV)を立ち上げました。今回はHawkins先生に、その内容と経緯をインタビューしました。

 

―GNVはどのような機関なのでしょうか

グローバル化が進んだ昨今、格差や貧困、武力紛争、環境問題をはじめ、全世界規模で対処すべき問題がたくさん存在しています。しかし日本の報道機関に頼っていると、世界に関する報道が極端に少なく、報道地域にも偏りがあります。これらを解決するため、国際報道に関する分析や、報道されない世界の出来事を、報道用ウェブサイトを通して伝える機関としてGNVを設立しました。

 

―どのような経緯でGNV設立に至ったのでしょうか

私が修士1年生のとき、世界中の紛争を調べたことがありました。当時はバルカン半島での紛争やイスラエル・パレスチナ問題の報道が多く、これらが紛争の代表格だと思い込んでいました。しかし実際には、アンゴラ、シエラレオネ、ザイール(後のコンゴ民主共和国)で起きている紛争の方がはるかに死者数は多く、隠された世界の存在に衝撃を受けました。

その後、世界の諸問題解決に携わりたいとの思いを持って5年間ほどNGOで働きました。直接的に問題解決に携われる一方、影響力の限界を感じ、「金持ちの国にいる人の意識を変える」との思いに至ります。

大阪大学に戻って学生にアフリカや紛争の現状、メディアの在り方について教鞭をとりつつ、情報発信に努めてきました。そのような中、学生に記事を書いてもらう機会があり、彼らのポテンシャルに可能性を感じました。海外の情報に興味を持つ学生も多く、プロ意識を持って一緒に取り組めると感じたため、ゼミ生を中心にGNVを立ち上げることになりました。

 

―現在、GNVはどのような活動を行っていますか

報道用ウェブサイトを通して、毎週木曜日に記事を発信しています。日本の国際報道を、報道量、地域的配分、トピックなどの観点から分析する「News View」と、報道されない世界の出来事や現象、傾向などを、問題の複雑さをなるべく単純化せず、わかりやすく解説する「Global View」といった、大きく2つの記事を提供しています。気軽に情報にアクセスしてもらうため、1枚の写真にひとことの解説を加えた「ICHIMAI World」や、研究者顔負けの情報量で分析を提示する「Monthly Report」まで、幅広い利用者層に対応しています。

記事作成者には、身分を問わず「プロ意識」を持って作成に携わってもらっています。厳密な編集方針のもと、見出しから参考文献まで何度も指摘することもありますが、その分、高い品質を保ちつつ情報発信できていると感じます。

 

<GNVのHP>

 

 

(OSIPP博士後期課程 田中翔)