2019.12.2
2019年11月27日、OSIPP棟会議室にて「第25回OSIPPアドバイザリーボード」を開催した。アドバイザリーボードとは、OSIPPの活動実態を評価し、そのあり方について幅広く提言することにより、OSIPPが社会に開かれた教育研究機関として地域および国際社会の発展に資することができるよう有識者より助言を得ることを目的とするものである。
現在のアドバイザリーボード委員は9人であるが、今年度は、梁 鎬錫氏(駐大阪大韓民国総領事館教育領事)、田中雄一郎氏(朝日新聞社本社論説副主幹)、村田正幸氏(大阪大学大学院情報科学研究科長)、辻本賢氏(OSIPP同窓会「動心会」会長)、小林義彦氏(OSIPP同窓会「動心会」事務局長)の5人の委員が出席した。
会合では、はじめに松野研究科長からアドバイザリーボードの概要とOSIPPの現状について報告があった。次に、資料に基づき、山田副研究科長より入学者の概況や留学生の出身国の割合、修了生の進路状況について、赤井副研究科長よりOSIPPの財政状況やその他のトピックスについて説明があった。
その後、今年度のアドバイザリーボードの議題である「社会人のOSIPP博士後期課程(博士号取得)に対するニーズをどう発掘し、それにどう応えていくか」について議論がなされた。この10年、社会人入学者の数は横ばいであり、アメリカなどに比べればまだまだ社会人の博士号取得は進んでいないという日本の現状がある。委員のひとりである情報科学研究科長の村田氏から、工学系もこの状況ではあるが、社会人を対象とした4コマの特別コースは人気があり年々受講生が増えていること、情報科学研究科では入試制度に工夫を凝らしている等の説明があった。
豊中キャンパスに通学することが難しい社会人のために、オンラインによる授業の開講や、単位取得の必要はなく学位論文の執筆にだけ集中できるような制度を設ける等、通学による問題を解消するためのさまざまな方策が出された。その一方で、国際機関で働く社会人のなかには博士号を取得したいと考える人が多いため、この分野において博士号取得の需要はあるとの指摘があった。ただし、実際に入学したものの、勤務地の異動等により仮にオンラインによる授業が開講されたとしても、時差の関係で受講が難しいという問題がある点が付け加えられた。
昼食をはさみながらも、委員と教員の間では多岐にわたる内容が議論され、大学院で学ぶことの意義を伝えてほしいといった今後のOSIPPに期待する声が寄せられた。
(OSIPP研究支援室)