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「兵士の殉職」の扱いに関する国際会議開催

2020年1月10日(金)13:30-16:30、各国の治安部門改革(SSR)や政軍関係の専門家をお招きし、「兵士の殉職」の扱いに関する国際会議を開催しました。軍事行動における兵士の殉職は、西側欧米諸国ではどの国においても非常に敏感な事項ですが、一方で多くの途上国では国内の反乱鎮圧やテロ対策などの活動の中で日常的に兵士が亡くなっていく現実が存在します。本国際会議では、この問題に焦点を当て、アジア各国の事例に基づき、亡くなった兵士やその遺族がどのように扱われるのかを紹介し、どのような政治的・軍事的な背景が存在し、殉職が各国の安全保障政策にどのように影響を及ぼすのかという問題について、宮崎国際大学の安富淳准教授の司会の下で議論を行いました。

第1セッションでは東南アジアの事例について公立小松大学の木場紗綾准教授とインドネシア防衛・戦略研究所のBeni Sukadis研究員より説明が行われ、京都大学東南アジア地域研究研究所のPavin Chachavalpongpun准教授より、タイの視点を交えての討論が行われました。第2セッションでは北東アジアの事例について韓国国防大学校のKim Insoo教授(中佐)とOSIPPの佐藤治子特任教授より説明が行われ、イスラエルのキネレット大学のEyal Ben-Ari教授による討論が行われました。

日本においては戦闘において自衛隊員に死者が出るという事態は、議論すらはばかられるところがありますが、参加者からは軍や兵士にとって「良い死」や「価値のある死」というものがあるのか、といった踏み込んだ質問がなされ、活発な議論となりました。

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(OSIPP准教授 中内政貴)