著書・論文

8月の研究業績

OSIPP基幹講座教員の先月の研究業績をご紹介します。

・北村周平先生

・室岡健志先生

 

 

 

Shuhei Kitamura coauthored with Nils-Petter Lagerlöf
“Geography and State Fragmentation”
Journal of the European Economic Association, Volume 18, Issue 4, August 2020
Pages 1726–1769, Published: 18 July 2019

概要:この研究では、GISデータを使って、欧州の独特の地形が小国家の分立と長期的な経済発展に及ぼした影響を実証分析しました。結果、歴史的にみて、欧州の国境は山岳地帯、川のある所、雨の多い所などに位置しやすいことがわかりました。また、歴史的に国境が多かった所、特に国境が安定的だった所ほど、現代の経済活動が盛んであることもわかりました。 国家間競争が発展を促進するという理論と整合的な結果です。
AbstractArticle(free access)

 

室岡健志
『経済セミナー』No.715、2020年8・9月号(7月発行)
行動経済学 人の心理を組み入れた理論 連載第6回 不確実性下の選択(1)

概要:連載第6回目の今回は、不確実性下の選択についての導入として、期待効用理論とその含意を解説した。まず、不確実性のある環境を定義し期待効用理論を説明した上で、不確実性下の意思決定に関する例として、アレー及びゼックハウザーのパラドックスを紹介した。 次に、単一の期待効用で不確実性下の意思決定を記述することの理論的な限界をRabin (2000 Econometrica)に基づいて説明し、関連した住宅保険の実証研究を紹介した。