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学生から見たOSIPPで学ぶ統計学・データ分析      

OSIPPは経済学、政治学、法学の三つの分野を専門とする教員、院生によって構成されています。そして、国際公共政策の名が表す通り、どの専攻であっても現代社会への強い政策提言性を備えているのが共通点です。この研究科は高い語学力を持った学生、留学生や社会人などの多様なバックグラウンドを持つ人々を受け入れていることも特徴のひとつです。OSIPPの研究の共通点をもう一つ挙げるとするならば、定量的なデータの解析や統計の分析を共通基盤として持っていることでしょう。

 

今回の記事では、OSIPPで学べる統計学・データ分析を紹介したいと思います。まず、OSIPPで学べる入門レベルの統計学・データ分析は、「計量データ分析I」や「政策研究デザイン」が挙げられるでしょう。特に後者の講義では、これからの研究において計量的なデータやアンケート、政策データを扱う学生に向けていかにしてローデータを有効にまとめるのか、どのようにして説得的なデータを提示するのか、データやアンケートを扱う上での倫理や注意点を教授しています。また、データ分析や統計学の授業は英語で開講されている科目もあるので、留学生も安心して習熟することができます。

また、より応用的な分野である「特殊講義(労働経済学の実証分析)」では計量経済学を専攻とする学生に向けて、初級の講義で学んだ知識をいかにして政策モデルや分析に応用するのかが解説されます。加えて、ゼミでの論文指導では豊富な専門的知識を持つ教員から、自分の研究テーマについての専門的な統計や分析についてもアドバイスを受けることができます。

統計学やデータ分析という共通基盤を持つことで、自分の研究テーマをさらに魅力的なものに見せることが可能になるのみならず、異なる分野への理解を示すことができます。具体的に言えば、論文の理論が一貫しているか、データの扱いは適切か、議論は妥当性を持つかといったことです。OSIPPの分野を超えた友好的な雰囲気は、英語力だけでなくこうした共通基盤によって作られているのかも知れません。言うまでもなく、統計学やデータ分析は研究上だけでなく、日常の社会生活の上でも大変有用ですので、これまで学んだことのない人でもOSIPPに入学の際は是非積極的に学習してみてください。

 

(OSIPP博士後期課程 内輪雅史)