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学生から見たOSIPPで学ぶ政治学  

OSIPPは政治・経済・法律の3つの学問を専門的に学べる大学院です。故に、3つの学問をそれぞれ専門的に学ぶこともできますし、複合的な学問も学ぶことができます。今回はその中でも政治学に注目し、授業・学生の様子などご紹介したいと思います。

 

 

 

「政治学」とはとても広い学問分野のことを指しますので、同じ政治学系の学生であっても、受講している授業がほとんど被っていないということはよく起こります。というのも授業が教員の専門分野ベースで開講されており、かつ、専門が似ている教員というのがほとんど存在しないため、授業の種類は教員の数だけあり、学生は自分の興味に合わせて様々な種類の授業をとれるからなのです。一方で、授業スタイルはどの授業もおおかた同じで、授業前に指定された論文や本(主に英語)を読み、授業内では論文や本に書かれていたことの疑問点の解消、内容に関するディスカッションが行われる形式です。

今回は私が受講したことのある政治学系の授業を中心にどのようなことが学べるかご紹介いたします。他の授業の概要もご紹介できればと思います。
まず、「多文化共生論」、「ナショナリズム論」は社会学、政治学の基礎的な理論を学びつつ、現代の世界の問題と比較するとどうなのかとディスカッションを行うことで理解を深められる授業です。基礎的な理論を自分だけで勉強し、現代の問題と照らして考えるというのは非常に難しいので、授業でもって先生やクラスメイトと学べる機会としておすすめです。

「日韓関係論」はOSIPPの授業の中でも珍しい、特定の二国間関係について扱う授業で、日韓の関係を偏った見方や固定観念にとらわれてみるのではなく、両国の見方、歴史的事実など中立的な立場に立ち学べる授業です。日韓関係を専門にする方にはもちろんのこと、少し興味でも興味がある方にも、先生が親切に解説してくださるのでおすすめしたい授業です。

もう1つ珍しい授業をご紹介します。「国際問題I,II」という授業なのですが、1月に1回ほど、薮中三十二特任教授(元外務事務次官)と日本の外交問題に関して英語でディスカッションができます。外交に関する歴史や理論を学ぶというよりは、現在起こっている外交問題をみんなで考え、理解してみようといった趣旨の授業のため、外交問題に興味が少しでもあれば受講してみると理解が深まるかと思います。

これら以外にもOSIPPでは平和学、歴史学、政治経済学(これは政治の知識も経済の知識も要るので非常に難しいのですが)、メディア理論、紛争解決、国際機関に関する授業など様々な講義が揃っていますので、いろいろな授業に出て知識を広げる機会として活用してもらえると良いのではないでしょうか。

 

(OSIPP博士前期課程 海東冴香)