在学生

【院生群像】矢根遥佳さん(D1)

常に元気で活発な矢根遥佳さんは、OSIPP博士後期課程に在籍する。大阪出身の矢根さんは、中学時代まで海外で過ごし、大学ではリベラルアーツを専攻したこともあり、幅広く多方面の分野から物事を考える力を養った。大学卒業後は、アメリカの大学の公益事業研究センターでの1年間の勤務を経て、病院においてがん研究に関わる仕事も1年間経験した。勤務の中で、経済学研究科内での業務を担当したことで経済学の面白さと奥深さに触れ、「研究がしたい」と思うようになり、それが今につながったそうだ。様々な経験と幅広い知識を持つ矢根さんは、OSIPPで利博友教授の研究室において、国際経済学を中心に、国際貿易のグローバル化とスキル別労働の失業率・賃金格差の関係について研究をしている。
矢根さんは、2012年3月から9月までの7ヶ月間、国際機関である経済開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)パリ本部の貿易・農業局にてインターシップを経験した。同局では、加盟国の貿易・農業政策の分析及び研究がおこなわれており、矢根さんは同局のサービス貿易課と開発課の両課において業務を行った。前者では、サービス貿易の障壁に関する指数のデータ作成に携わり、後者では、開発途上国を中心とした国際貿易における生産ネットワークの参加国の経済成長の関係性を分析するといった専門的な業務に従事した。
OECDでのインターンを通じて、「同じ経済学を媒体として扱っていても、様々な分野があるからこそ、部局の関係を越えて、互いの専門性を自由に交流できる環境がOECDの良さだと実感した」と述べる。また、多忙な職務でありながらも職員らが就業形態の柔軟さにより、仕事と家庭、特に育児と両立させながら活発に勤務する姿を目の当たりにし、「働きやすい職場環境の重要性」を感じた。
「OSIPPは、自分のペースで研究や課外活動ができる分、自分との戦いの場所でもある」と研究をする上での厳しさを語る。他方で、OSIPPの良さについて、OSIPP生が「オンとオフのメリハリができている」ことや、「様々なバックグラウンドの人たちと話すことで自分の視野が広がる」と語ってくれた。