【院生投稿】藤原慶斗さん(OSIPP博士前期課程)
2024.10.29
【院生投稿】藤原慶斗さん(OSIPP博士前期課程)
初めまして。私は昨年の4月にOSIPPに入学し、現在は博士前期(修士)課程の2年目を過ごしています。今回は大学院進学を決めた理由や研究内容、OSIPPでの生活などをお話ししたいと思います。(写真:横浜にいる友人に会いに行った際の写真)
大学院進学の理由
私は学部入学時から卒業後は就職と考えていたので、大学院へ行くという選択肢はありませんでした。しかし、3年次から始まったゼミの活動で初めて実証分析を行った際に、データから“どのような背景でこの数値が出てきたのか”、“人々はどのような嗜好を持っているのか”を考えることに強い没入感を味わいました。このことがきっかけでデータ分析に関する知見を広げたいと思うようになり、大学院進学を考えるようになりました。就職か進学かで悩んだ時期もありましたが、最終的には“ワクワクする”という直感を信じて大学院へ行くことを決意しました。
進学先をOSIPPに決めた理由は2点あります。
1点目は 自分に合った学習環境があると感じたからです。データ分析を学びたいといっても、そのフィールドは多岐にわたるので分野を絞る必要がありました。最終的に自分がどんなデータを扱いたいかを考えた結果、当時は経済学に興味を持っていたので、情報学系の大学院ではなく経済学系の大学院を検討しました。なかでもOSIPPは自分のレベルに合わせてカリキュラムを組めるため、データ分析に関する理論的知識や実践による経験を堅実に積み重ねていけるのではないかと思い志望しました。OSIPP入学後、実際に履修した講義では自分の理解不足を痛感することが多いのですが、それが適度な負荷となりつつ勉強することができています。
2点目は学際性に惹かれたからです。OSIPPには様々な国から留学生が集まっていることや、それぞれの学生が興味を持つ分野が政治・経済・法律と幅広いことから、日常的に多くの刺激を感じることができるのではないかと考えました。結果的には、関心のあるテーマがはっきりと定まっていなかった自分にとっては、いろんな人の話から自分の興味を探すことができたのでよかったなと感じています。
研究内容
私は現在、ユネスコ無形文化遺産が貿易に与える影響について研究しています。具体的には、ユネスコ登録によって関連商品の認知度やブランド価値が向上し、その結果、貿易が促進される可能性を考えています。例えば、日本の「和食」が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、これが和牛や日本酒といった食品関連商品の輸出増加につながったかどうかを、定量的に分析しています。
入学当初は別テーマの研究を想定していましたが、OSIPPで学んだことを活かして修士論文を書きたいと思い、このテーマに取り組んでいます。私はもともと特定の社会事象に強い興味があったわけではなかったのですが、論文を読んだり、データを集めたりしていく中で思考が整理され、自分の興味が明らかになってきている感覚があり、初心者ながらに研究の面白さを感じています。
OSIPPでの生活について
OSIPPでは教職員の方々、先輩や同期、後輩に感化されながら楽しく過ごしています。講義や日常のふとした会話から分らないことが山のように出てくるので、そのことが自分にとって良い刺激となっています。
修士1年目は学業と就職活動を並行して進めており、授業の課題や復習、テストの合間を縫ってエントリーシートを書いたりwebテスト対策を行ったりしました。常に何かしらの締め切りに追われている状況だったので、体力的・精神的にきつく感じました。自分の場合は何度か体調を崩してしまったので、同じような境遇の方は息抜きを大切にしてほしいなと思います。
修士2年目は関心のある講義を履修しながら修士論文に取り組んでいます。そのため時間的な余裕はあまり多くはありませんが、その分さまざまなことを勉強できているという充実感を味わっています。OSIPPでの修士生活がわずかになり、すでに名残惜しさを感じていますが、悔いが残らないように残りの日々を過ごしたいと思います。
今後について
来年の春からは民間の企業に就職し、目標としていたデータ分析関連の仕事に携わる機会をいただきました。まだまだ未熟者ですがOSIPPで学んだことをベースに、さらなるスキルアップを目指していきたいと思います。