2024年度秋季OSIPP説明会
2024.11.18
2024年度秋季OSIPP説明会
2024年11月8日、OSIPP棟6階会議室にて秋季OSIPP説明会が行われた。当日は対面とオンラインを合わせて約60人が参加し、入学試験及び在学中のカリキュラム、修了後の進路等についての説明、および質疑応答が行われた。
(写真:河村倫哉教務委員長による説明の様子)
説明会は、中嶋啓雄研究科長の挨拶から始まった。中嶋研究科長は、OSIPPでは社会の諸問題について、専門性の高い研究教育と企業からの助成を受けた寄附講座などで社会とのコミュニケーションを重要視した実務的教育の双方を重視していると紹介があった。さらに英語開講やオンライン開講の講義があること、入試がオンラインで行われることなど、海外の学生にとっても入学しやすい環境を整備しているため、国際性豊かな学生生活を送ることができるという説明があった。
その後、河村倫哉教務委員長より入試に関する情報、早期修了制度を含めた修了要件、学生支援等についての詳細な説明があった。
入試情報に関しては、OSIPPの出願において英語民間試験のスコアは過去5年以内のものが有効なので、早めに高いスコア取得に向けて動いてほしいという激励があった。また、学生支援については国際学会で発表する際の補助や海外インターンシップへの助成、私費留学生に対する特待留学生授業料免除など様々な支援に関する言及があった。最後に教員からのメッセージ動画についての紹介があった。
続いて、経済系、法政系(法学・政治学)の教員からそれぞれの分野に関する説明があった。
法学の教員である大久保邦彦教授は、どのような授業が開講されているかを説明した。OSIPPには複数の国際法の専門家や日本では数少ないEU法の専門家が在籍していることなどを述べ、教育体制の充実度合いを強調した。次に、片桐梓准教授が政治学分野に在籍している教員に関してと、開講されている授業について紹介し、OSIPPでは政治科学(Political Science)だけでなく歴史的なアプローチや社会学的なアプローチなど幅広い観点から政治学を学習できること、UNESCOなどの国際機関や新聞社などで実務経験を積んだ教員や外部講師による授業が豊富であることを説明した。経済系からは松林哲也教授が、初めて経済学を学ぶ学生でも専門性を身につけられるように設計されているOSIPP経済系のカリキュラムの魅力を伝えたうえで、必要であれば経済学研究科の授業の履修や学部の授業の聴講も可能であることを説明し、OSIPPでの学びの柔軟性を強調した。最後に、OSIPPでの学修を通してデータ分析に基づくエビデンスを集めることができる人材になってほしい、というメッセージで閉めくくられた。
その後は在学生が3人登壇し、自らが感じるOSIPPの魅力を語った。OSIPPでは就職のことや研究のことを相談できる仲間ができるうえ、教員と学生の距離が近いこともOSIPPの魅力である、と語っていた。
教員からの一連の説明が終了したあとは、質疑応答の時間が設けられた。各授業や修了後の進路についてなど、様々な質問が会場やオンラインのチャット機能を通じて寄せられた。また、対面会場では説明会終了後も在学生や教員に個別の質問をしている様子が見られた。
博士後期課程の学生に向けては、独立した研究者になるために教員がサポートを惜しまないことが強調され、学生支援などについての説明があった。また、論文指導や授業は部分的にオンラインで代替することも可能であるので、仕事との両立を考えている場合は事前に指導教員に相談してほしい旨の案内があった。
また、博士後期課程における2025年度以降の変更点として、以下の内容が伝えられた。
・博士学位に付記する専攻分野が、従来からの国際公共政策に加えて法学および経済学の専攻分野からも選択可能になった。詳細な要件は入学後に説明がある
・博士前期課程だけでなく博士後期課程においてもグローニンゲン大学とのダブルディグリー・プログラムが導入される
さらに、OSIPP修了生で外務省に勤務している原琴乃氏から、博士号取得についての言及があった。まずは、海外では国際会議において発言者が博士号を所持していることが重要視されていると述べた。また、博士号取得過程で得られるものとして、専門性の高い知識のみならず、必要な資料を適切に分析することで新たな発見をし、その結果を学会で発表できるというスキルを挙げた。そのスキルは、その後の自身の人生で大いに役立つものであり、また、キャリアを通して社会に還元できるものであると説明した。そのうえで、OSIPPは多様性豊かな環境で実務に近いアプローチを取っている研究も多いため、その一生モノのスキルを涵養しやすい研究科であると、参加者に向けて熱いメッセージを送った。
(OSIPP博士前期課程 辻本篤輝)