在学生

【院生投稿】鳥越淳司さん(OSIPP博士前期課程)

●OSIPPという学びの場

 私は大学時代、法学部法学科の国際政治ゼミに所属していました。ゼミ論文の執筆時にイラク戦争後の復興に関する本に出会い、紛争後の平和構築が与える影響力の大きさを感じ、この分野に関心を持ちました。大学院進学を考え始めた頃、OSIPPの存在を知りました。OSIPPには、多様な分野を研究する先生方に加え、実務家としての経験をお持ちの先生方もおられます。加えて、多くの留学生を含め、多様なバックグラウンドを持った能力の高い学生が集まり、学んでいる研究科であるという点にも大きな魅力を感じました。

 非常に緊張した入学試験を何とかパスしたものの、 入学後はレベルの高い授業についていくことに必死でした。多くの授業が英語で行われていることもあり、私にとって日々刺激的である一方、とてもチャレンジングな毎日でした。なんとか食らいつきながらOSIPPでの学びを進めるうちに、専門的な知識はもちろんのこと、英語文献の読み方や広い視野で物事を考える力、読者をひきつけ説得する論理的な文章の書き方まで多くのことを少しずつ学ぶことができていると感じています。

 

●「現場」で体感

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 大学院生として迎える初めての長期休暇を有意義に使いたいと考えていた私にとって、OSIPPの授業科目であるプロジェクト演習(インターンシップ)の存在は強い後押しとなりました。「国際協力」とはどのようなものなのか、それをできるだけ現場の近くで体感したいと考えていた私は、JICAのインターンシッププログラムの在外事務所ポストに応募しました。幸運にも採用され、約2ヶ月弱JICAマラウイ事務所でお世話になることとなりました。(右写真:技術協力プロジェクト「マラウイ国中規模灌漑開発維持管理能力強化プロジェクト」に関連するトレーニング現場の訪問)

 

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 マラウイでは多くの発見と驚きがありました。具体的には、「人」に焦点を当てるプロジェクトを多く行うJICAという組織のユニークさ、国際社会からの援助によって生じる決して小さくない弊害、ドナー間の協調の可能性、現地の方々と協働することの重要性などです。文章を読むことによってではなく、自らの目によって実際の現場を見て、体感することができたことは、将来に渡り、私にとって重要な経験になると確信しています。(左写真:JICAマラウイ事務所におけるインターンシップ活動報告会)

 

●これから

 OSIPPに入学してから10か月程が経ちました。今改めてOSIPPを選択して良かったと感じています。これからの大学院生活には修士論文の執筆や就職活動が控えています。これまでの10か月間で学び、経験し、吸収してきたことをフルに動員してOSIPPでの2年目の生活を楽しみつつ、研究と自らの将来の選択をじっくり行いたいと考えています。