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【院生投稿】内輪雅史さん(OSIPP博士後期課程)

【院生投稿】内輪雅史さん(OSIPP博士後期課程)


研究内容紹介

私は冷戦期におけるノーマン・カズンズの外交史的研究を行っています。ノーマン・カズンズ(1915~1990年)はアメリカの最も著名なジャーナリストであり、平和運動家でもあり、医学者としても活躍した人物です。日本では特に原爆投下後に広島において行われた救援活動、精神的養子縁組制度や原爆乙女プロジェクトでその名を知られています。そんな彼が冷戦という時代背景の中で、様々なプロジェクトやイニシアティブを通じて、一国家の枠組みを超えた「私的な外交官」として活動していたのではないかという疑問が近年のカズンズ研究の中で議論になっていますが、私の研究はその延長線上にあるものです。最終的には彼の生涯の研究を通じて、冷戦期における個人と国家の役割への再考を促すことを目指しています。

 

OSIPPに入学してよかったと思うこと

OSIPPに入学してよかったと思えたことは、学問的な興味、関心を共有する仲間ができたことです。私の専攻する20世紀アメリカの外交史研究は、よりカテゴリーの大きな研究区分、例えば西洋史やアメリカ史、の中では院生の数が多くはありません。しかし、OSIPPではアメリカ外交史を研究されている先生方が複数名いらっしゃることもあって、類似する専攻分野の院生の数も他の研究科に比べて極めて多くいます。そのメリットとして、研究上のアドバイスをもらえることや、原稿へのレビューをつけ合えるということが挙げられます。実際、私自身学会発表をする前に先輩に原稿のチェックをお願いし、有益な助言をいただきました。OSIPPではこのように専攻分野の近い同輩、先輩方がいることから、お互いを高めていけるような環境が整っていると思います。

 

(OSIPP博士後期課程 内輪 雅史)