2019.2.19
松林哲也准教授 平成30年度日本学術振興会賞を受賞
松林先生の「代表民主制が機能する条件とその社会的効果に関する分析」が、第15回(平成30年度)日本学術振興会賞を受賞されたので、インタビューを行いました。
―今回受賞された研究内容についてお聞かせください。
今回はこれまでの全ての研究内容が評価されたと思います。政治学では代表民主制の機能や選挙の役割についての研究、社会医学では自殺についての研究です。政治学については、有権者が選挙を通じてどのように政府を適切にコントロールできるのか、そのための条件を実証的な方法で調査しています。もう一つの研究テーマについては、自殺を政治的な問題と捉え、自殺の原因とその防止策を探るための研究を行っています。
―この研究に取り組むことになったきっかけを教えてください。
政治学に関して言えば、代表民主制がどのように機能しているのか、想定通りに機能しているのかという疑問を学部生時代から持っていました。代表民主制の機能や有権者の政治行動に関する研究は非常に重要なトピックだとは思いますが、一方でその研究成果は必ずしもすぐに役に立つとは限りません。そうした思いから、現在起きている問題について社会科学者として何かできることはないのかと考えて始めたのが自殺の研究です。
―この研究の魅力や面白いところはどんなところですか。
私はデータの分析が好きなので、仮説を導き出してそれをデータで実証していくプロセスを魅力的に感じます。検証の途中で仮説通りの結果が出ても、全く違う結果が出てもそこから社会の動きが見えてくるので、非常に面白く感じています。
―ところで、2月7日の授賞式に出席されたとうかがっています。そのときの様子を教えていただけますか。
授賞式には20数名の他の受賞者の方、秋篠宮殿下と妃殿下、そして学術振興会理事長である里見先生や審査委員長の野依先生が出席されていたので、非常に緊張しました。受賞の盾をいただいた後、記念茶会に出席しました。
松林先生、本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。
(OSIPP博士後期課程 内輪雅史)
松林先生の教員紹介ページはこちらから
***日本学術振興会賞とは***
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。
選考は、各分野を代表する我が国のトップレベルの学術研究者により構成される審査会で厳正な審査が行われ、受賞者を決定しました。
受賞対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、45歳未満で博士又は博士と同等以上の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業績により学術上特に優れた成果をあげている研究者としています。 (日本学術振興会のホームページより引用)