お世話になった先生へ-松本先生との思い出-
2020.8.11
「お世話になった先生へ-松本先生との思い出-」
Wei Liangshan(OSIPP博士後期課程)
私は環境法を勉強するために、松本先生の学生として、4年前の10月に中国から大阪大学にやって来ました。日本に来たばかりの頃は、自分の日本語能力が低く、生活や勉強に多くの問題をもたらしました。松本先生は私にいつも英語で話しかけてくださり、とても助かったことを覚えています。先生の励ましとサポートのおかげで、異国での最初の適応期を乗り切ることができたと思います。私が自分の国を離れたのはこのときが初めてで、日本の文化や生活の違いは大きな衝撃でした。
いま松本先生へのメッセージを書きながら、当時のことを思い出しています。私が来日してまだ1週間ほどしか経っていない頃、私は日本人が畳の上で寝ることは知っていましたが、部屋に洋式と和式の違いがあることは知りませんでした。私が借りていた部屋は洋室だったので、その一週間は床の上で寝て過ごすことになりました。それを知った松本先生は、私のことを心配しベッドを買うのを手伝ってくださいました。ささやかなことですが、今思えば、とても温かい気持ちになります。
昨年度の学期末、松本先生は最後の1ヶ月間の授業を突然終了すると告げられ、入院されることになりました。私が病院へ先生のお見舞いに行ったときは、先生は昔の同級生とお話しておられたのですが、その時の先生は非常に疲れた様子で、前に比べて弱々しい様子であることに気付きました。とても心配になりましたが、私は先生に「お大事に」としか言うことができませんでした。
その後、先生が退院されて自宅で療養しておられると聞き、もうしばらくしたら先生はきっと回復されるにちがいないと思っていました。数ヶ月前に、他の松本先生の学生達と一緒にご自宅を訪れたとき、先生は前よりも気力をお持ちであると感じました。先生は、研究資料を整理して本を書く準備をしていると、私たちに説明してくださいました。そして、私たちには、自分の研究をたくさんするようにと励ましてくださいました。その時、私は先生が一日も早く回復されることを願い、近いうちに学校に戻ってきて指導してくださることを祈っていましたが、この別れが永遠になるとは誰も知りませんでした。
私は、松本先生のご指導のもとでともに学べたことを、とても幸せに思います。本当にありがとうございました。心から哀悼の意を表しますとともに、安らかにご永眠されますようお祈りいたします。
2019年5月17日 松本先生と環境法受講者との飲み会