「都市社会学と都市人口」についてのフォーラム開催
2015.6.30
第1回 地域活性化インフラ・フォーラム2015
テーマ:都市社会学と都市人口
6月4日、OSIPP棟にて2015年度第1回目となる「地域活性化インフラ政策フォーラム2015」を開催しました。今回は「都市社会学と都市人口」を共通テーマに、同志社大学の鰺坂学教授(写真左)と一橋大学の町村敬志教授(写真右)をお招きしてご講演いただきました。
鰺坂教授が講演された第1部「『都心回帰』による大都市の地域社会構造の変化―大阪と東京を主な事例として―」では、5大都市のうち東京23区と大阪市において人口の都心回帰がみられるとの調査結果を基に、これに伴って都心で社会階層(職業階層)が変化し、町内会(地域振興会)加入率の低下や、新旧住民間の近隣関係の希薄化などが生じている実態が明らかにされました。
町村教授が講演された第2部「―都心と郊外の人口動向―『20世紀メガ都市リージョン』東京から考える」では、世界の多くの大都市が人口流入を制限してきた一方で、日本ではそのような政策が十分に実施されてこなかったために、東京が例外的に巨大化してきた経緯が示されました。町村教授によれば、人口の都心回帰は首都圏内でも起こっており、現在の東京は、郊外における新住民2世と旧住民との確執の解決や都心部の超高層住宅の建て替えなど多くの課題を抱えており、20世紀型のメガ都市リージョンとしての経験を21世紀にどう活かせるかが問われているとのことです。
質疑応答では、約30人の教員や学生の参加者から都心回帰や郊外の過疎化、都心におけるコミュニティ形成などに関する質問が挙がり、本フォーラムは活発な議論のうちに幕を閉じました。今後、「地域活性化インフラ政策フォーラム」は継続的に開催する予定です。
(OSIPP博士前期課程 栗山緋都美)
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