在学生

【院生紹介】千坂知世さん(OSIPP博士前期課程)

在学生インタビューの第2弾として、今回は、博士前期課程2年に在籍中の千坂知世さんにインタビューを行いました。

千坂さんは外国語学部ペルシャ語専攻からOSIPPへの進学を決め、インターンシップ、イランへの研究調査、論文執筆など様々な活動を精力的に行ってきました。就職活動を終え、現在はイランの核問題をテーマに修士論文執筆のための研究に取り組まれている千坂さんに、OSIPPでの生活についてお話を伺いました。

 

―OSIPPへの進学を決めた理由は何ですか?

きっかけは、3年生の2学期から1年間アメリカの大学に留学したことです。アメリカでは大学院まで進学することを前提に、学習に対して高い意欲を持った学生が多く、そのように精力的に活動する現地の学生や海外からの留学生との出会いに影響を受け、大学院に進学し研究をすることに関心を持つようになりました。

留学を終え、就職か進学かを悩み、就職活動にも取り組みましたが、進学し研究したいという思いは強くなっていったため、大学院への進学を決意しました。

研究テーマとして、ペルシャ語を学ぶ中で、イランを取り巻く政治や核の問題に関心を持っていました。しかし、学部で学べる分野は文化や歴史などが中心だったため、政治や外交について基礎から学習できる環境が整っているOSIPPへ進学しようと考えました。また、留学中に海外で働くことに対して高いモチベーションを持った学生と多く出会ったことがきっかけとなり、国際機関で働きたいという思いも持ち始めていたため、研究だけでなく実務経験も豊富な先生が多く在籍されていることも、OSIPPを選ぶ決め手となりました。

 

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―実際に学ぶ中でOSIPPに対してどのような印象を持ちましたか?

勉強家な人や、インターンシップに参加したり海外の大学院に留学したり、と主体的に活動する人が多いという印象を受けました。私自身も、これまで政治や外交については学んでこなかったため、その遅れを取り戻すためにも1年の1学期は特に文献を多く読むなど積極的に学習に取り組みました。

 

―広島でのインターンシップの経験について教えてください。

夏期休暇中に、広島にある国連訓練調査研究所で1か月間スタッフとして活動しました。具体的には、平和構築における人材育成を行うためのドナーを探すことを目的に、各国の開発機関のホームページを調べ、レポートにまとめたり、外務省に提出するための資料を作成したりする作業を行いました。

1か月間という短い期間でしたが、英語を使って仕事をする機会が多く、また働く上で必要な事務作業に関するスキルなども学ぶことが出来たため、非常に良い経験になりました。

 

―イランでの研究調査ではどのような活動をされましたか?

春期休暇を利用し、自身の研究に関する資料収集のため1か月半イランに滞在しました。現地では大学の図書館や新聞社を訪問し、研究に必要な新聞のデータ収集などを行いました。また語学学校にも通い、ペルシャ語のさらなる上達にも努めました。

始めのうちは、言語が通じず苦労することもありましたが、乗合タクシーで移動したり、市場に出かけ買い物をしたりする中で、現地の人と会話をする機会が生まれ、少しずつ言葉が話せるようになりました。また、そうして自らいろいろな場所に足を運んだことでイランの人々の生活を目にすることが出来、充実した研修になったと感じています。

 

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―現在は修士論文を執筆されているということですが、研究の面白さはどのような点にあると思いますか?

論文を批判的に読むことで、先行研究で指摘されていない部分を自ら発見していくところだと思っています。先行研究で明らかにされた事実を踏まえて独自性のある理論を生み出すことは難しいですが、様々な先生に、学問的な視点、実務的な視点からアドバイスを頂けるため、バランスよく研究に取り組めていると感じています。難しいと思うこともありますが、何度も試行錯誤を繰り返す中で完成させることが出来ればよいと考えています。

 

―修了後の進路はどのように考えていますか?

4月からは企業に就職し、社会人として働きます。研究することはとても好きなのですが、一度社会に出て社会人としての力をつけたいと考えています。そのような選択をしたのは、将来は国際機関で働きたいという思いを持っているためです。その目標を実現させるためにも、まずは社会人として自分の武器になる力を身に着けたいと思っています。

 

―今後進学を考えている学生へのメッセージをお願いします。

大学院では、勉強以外にも学部時代には経験できなかった様々なことを体験出来ました。文系で大学院に進学する人は決して多くありませんが、修士での経験は社会に出る上で、きっとプラスになると考えます。研究活動に取り組むとともに、休暇などを利用していろいろな活動にチャレンジすることが、実りある大学院生活につながると思います。

(OSIPP博士前期課程 藤田美由紀)