在学生

【院生紹介】栗山智帆さん(OSIPP博士前期課程)

OSIPPの現役生に大学院での研究生活や就職活動に関してインタビューを行い、学生生活についてよりよく知って頂こうと思います。今回は2014年入学の博士前期課程2年生の栗山智帆さんにOSIPPでの大学院生活についてお話を伺いました。

栗山智帆さんは人間科学部人間科学科グローバル人間学科目在籍時より、学業はもちろん空手部やボランティアといった課外活動にも熱心に取り組んできたという、私の同期の中でも際立って活発な方です。それではお話を伺ってみましょう!

 

・OSIPPに入った経緯を教えてください!

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私は以前より大学院に進学を考えていた一方で、空手部での活動に没頭するあまり勉強もしていなかったため、就職活動を経て社会人になろうと考えていました。しかし卒業論文の執筆を始めると同時に、研究の面白さに気付きました。卒業論文は、非正規滞在の外国人を収容する施設に面会に行くというサークル活動経験をもとに仮放免者について執筆しました。そして私の興味・関心のある分野について研究していた村上現研究科長に相談し、OSIPPへの進学を決意しました。

 

・OSIPPでは現在どういった研究をされていますか?

私は、非正規移民に対して国はどこまで保護をすべきなのか、またできるのかということを明らかにすることに関心があります。修士論文では、イギリスにおける滞在資格のない庇護申請者への保護の現状を分析・比較対象とし、日本における庇護申請者への対応を考察していきたいと考えています。またこうした考えからインターンシップも行いました。

 

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・どのようにしてインターンシップ先が決まりましたか?

私は非正規移民の保護に関しての世界的な動向について知りたかったということや、国際機関で働いてみたいという思いから、国際移住機関(International Organization for Migration、以下IOM)でのインターンシップを希望していました。

はじめは国際機関でインターンシップなど不可能ではないか、と思っていましたが、インターンシップ先を探し始めて、「阪大って意外と国際機関への人脈があるな、これはいける」と感じました。しかしジュネーブにあるIOMの事務所でのインターンシップを希望しましたが、返事がなかなか来ずに心配でした。日本事務所の職員や元人事職員の方にも相談させていただきました。奨学金の締切が目の前に迫り、やきもきしていましたが、結局11月に受け入れの連絡を頂き、三ヶ月弱の間ジュネーブの事務所での業務に従事することになりました。

 

・インターンシップ先でのお仕事内容について教えてください。

私が担当した業務としては、ポストミレニアム開発目標に関する会議にむけての、ネゴシエーションのお手伝いでした。ジュネーブでの業務は、学部時代から国際協力や開発問題に関心があった自らの興味関心に沿った、挑戦してみたかった内容でした。

ネゴシエーションの具体的な内容は、ポストミレニアム開発目標について行われる会議において、IOMによる目標の提案をサポートする、というものでした。一口に移民(といっても女性や子ども、労働者というように様々な観点から問題解決にむけて各国際機関が提案を行います。そこで私は、世界各国がIOMの提案する移民に関する目標に対してどのような意見を表明しているのかをまとめたり、九月に開催される会議に先立った小さい会議に利用される資料作成などを行いました。

 

・就職活動について

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学部時代も就職活動をしていたので、やりたいことは自分の中でははっきりしていました。介護と児童福祉のボランテイア活動に関わっていたことから、福祉や社会保障の分野にチャレンジしていきたいと考えています。またボランティアとして携わった現場に近い立場からではなく、次は制度設計などより政策決定に影響を与えることができる仕事に就きたいと思い、シンクタンクへの就職を希望していました。私としては就職活動は決してうまくいったとは思いませんでしたが、自分の中で納得できる会社から内定を頂きました。

 

・それでは最後にOSIPPに入学を希望する人へのメッセージをお願いします。

就職するのか、院に行くのかなどなど、さまざまな進路があって、皆さんとても悩むと思います。私もとっても悩みました。目の前にあるとても進みやすそうな道に誘惑されることもあります。でも、一度きりしかない人生なので、たくさん悩み、自分が本当はどうしたいのかを考え、後悔しないようにした方がいいと思います。私はOSIPPに自分の道を見出すことができました。皆さんもぜひ自分の道を見つけられるよう頑張ってください。

 

(OSIPP博士前期課程 中田 淳)