3月の研究業績
2023.4.3
OSIPP基幹講座教員の3月の研究業績をご紹介します。
・二羽秀和 先生
・赤井伸郎 先生
二羽秀和(著書)
「第7章 物価水準の財政理論の概説」森田裕史編『マクロ経済構造の分析-時系列分析手法とその応用』
日本評論社(2023年3月)https://www.nippyo.co.jp/shop/book/9005.html
概要:本稿は「マクロ経済構造の分析-時系列分析手法とその応用」(森田裕史編)の第7章である。物価水準の財政理論(FTPL; Fiscal Theory of the Price Level)の概説を目的としている。FTPLは均衡物価水準の決定において将来の財政政策に関する民間の予想が果たす役割の重要性を強調する貨幣経済理論である。「既発国債の実質価値が財政黒字の現在割引価値の総和が等しくなるように物価水準が定まる」といったような機械的な説明ではなく、そのように物価水準が定まる背後にある経済学的な直観を伝えることに主眼を置いている。
赤井伸郎(その他の記事)
「コロナ禍で変わる都市構造」『十字路』日本経済新聞(2023年3月23日付夕刊)
概要:今年5 月から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」になる予定だ。移動に対する心理的なハードルは低くなり、インバウンド(訪日外国人)も含め、観光分野への期待も高まる。適度な距離をとって、密を避けることができる場所に移動する「ニューノーマル」への変化が生まれ、それは、地方創生のチャンスでもある。有名観光地ではない地域への人の流れが生まれる可能性もある。人口減少が進む地域の活性化には、外部からの人の流入が欠かせない。ニューノーマルの人の流れをチャンスに変えて、地方創生の取り組みが広がることを期待したい。