在学生

【院生投稿】奥野愛理さん(OSIPP博士前期課程)

私は2024年3月に大阪大学法学部国際公共政策学科を卒業し、4月からOSIPPの博士前期(修士)課程に在籍しています。今回は、大学院進学を志した理由を学部時代の経験をベースに述べたいと思います。この文章を読んでいる方の中には、大学院進学を考えていらっしゃる方がいるかもしれません。そんな方の進路選択の一助となれば幸いです。
(写真:ヘルシンキのメトロにて)

【大学院進学を志した理由】

私が大学院進学を志した理由は、修士論文を執筆したかったからです。私が卒業した大阪大学法学部では、卒業要件として卒業論文の提出がありませんでした。ゼミ等で研究活動に携わることはありましたが、大学での学びを形に残せないことが心残りでした。一方でOSIPPでは卒業のために修士論文の提出が必要であり、また私がかねてから関心を持っていた経済・政治の両方の方面の講義を受講することができます。さらに、指導をお願いしたい教員が在籍されていたため、OSIPPへの進学を志しました。

大学時代に得た3つの経験を時系列に沿って振り返りながら、大学院進学を志すに至った経緯を説明します。

①大学2年次、初めてのゼミでのグループ研究活動

在日外国人の方と地域の国際交流協会との関わりに関心を持ち、アンケート調査やインタビュー調査を実施しました。その後、縁あって調査に協力してくださった国際交流協会でボランティア活動を継続しています。外国人の方々との関わりを通じて、自身の目的や問題意識をより強く持ち続けるよう心がけています。
現在、日本における外国人労働者の増加に関心があり、OSIPPではその影響を理解するためのデータを用いた実証分析の理論や方法を学んでいます。

②大学3年次、グループ研究活動

大阪大学が実施している学部生の研究を応援する事業、自主研究奨励事業に有志の仲間と参加し、研究活動を行いました。テーマは「コロナ禍での大学生活の変貌が大学生に及ぼす影響」で、仮説の立案から始め、アンケートの作成、調査の実施、結果の分析、報告書のまとめ、そして発表までを行いました。問題を発見し、それをテーマに仮説を立て検証する過程を経験したことで、研究の魅力を、身をもって体感しました。

③大学4年次、交換留学

留学時に友人たちと。筆者右列中央。

大学の交換留学制度を利用して、2学期間(約9か月)、フィンランドのヘルシンキ大学に留学しました。留学で得た最も大切なものは友人です。フィンランドではどの分野でも学士課程と修士課程の両方を修めることが一般的です。修士課程を修めた人々の見識の深さを知り、私も大学院に進学することを真剣に考えるようになりました。大学院進学を迷っていた当時、現地に留学していた日本人の高校生からは私自身の未来への可能性を教えてもらい、社会人生活を一旦やめて修士号取得を目指している友人からは人生の長さと今という時間の大切さを教えてもらいました。今から考えると留学先でのたくさんの人々との出会いがなければ、違った選択を取っていたかもしれません。

最終的に、これらの経験から得た研究への楽しさや興味と、今やりたいことをとりあえずやってみようという気持ちで大学院受験を決めました。

 

【OSIPPにて】

OSIPPの友人たちと琵琶湖に行ったときの写真。筆者は右から2番目。

4月からの大学院生活は恵まれた学習環境で、充実した日々を送っています。修士課程1年目はコースワークがメインですが、そこから学ぶことも全て修士論文につながるので、それらをどう応用できるか、ということを考えながら励んでいます。最近は夏休みに入り、息抜きをしに友人たちと琵琶湖へ行ってきました。学期期間中はやらなければならないことが多く、日々をこなすことに一生懸命になることもありますが、息抜きを共に楽しめる仲間に恵まれたこともOSIPPに入ってよかったことの一つだと考えています。

 

【今後について】

大学・大学院で学んできたことをまとめた修士論文を作成することが一番の目標です。学部生時代までの研究活動はすべて先輩や友人との共同作業でした。当時は不足しているところを補い合う仲間がいたのですが、修士研究は一人です。自分で考え、教員の方や周りの学生からのアドバイスを参考に、納得の行く修士論文を作成したいと思っています。そして、その後は学生生活に終止符を打ち、社会人として社会に貢献したいと考えています。

 

【もし進路に迷われている方がいらっしゃったら】

進むべき方向がわからなくなった経験者として最後にメッセージを残したいと思います。方向性が分からなくなったときは、周りの人々やその進路に進んでいる人々に相談してみることをおすすめします。そして、慎重に情報収集を行うことも重要です。最終的な選択はあなた自身が行うものです!この投稿が少しでもあなたのお役に立てていると嬉しいです。

ヘルシンキのメトロにて