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【院生投稿】佐藤由基さん(博士前期課程)

【院生投稿】佐藤由基さん(博士前期課程)


現在は博士前期課程に在籍中で、松野明久教授の研究室に所属しています。1月に修士論文を提出し終えましたので、この機会に自身の阪大生活について振り返りたいと思います。(写真:以前OSIPP留学生達と行った、伊勢神宮近くの五十鈴川橋にて撮影)

 

 

OSIPPを志望した理由
高校生の頃にNHKで放送されていたハーバード白熱教室のマイケル・サンデル教授の回を観てから、正義や正しさっていったい何だろうと疑問を感じ、身の回りのことから国際情勢に至るまで幅広く関心を持つようになりました。そのことから、大学の学部生時代は、東京にある大学で法哲学や国際政治について学んでいました。大学での授業やゼミを通じて様々な考え方や価値観を持つ人々と出会うことで感化され、さらに自分の世界を広げたいという思いから、カリキュラムが充実しており、数多くの留学生がいて多くの授業が英語で行われていることなどのチャレンジング且つエキサイティングな環境のあるOSIPPを志望しました。
なぜ大学院に進もうと考えたかについては、私がワクワクすることが好きだったからだと思います。主体的にチャンスを見つけて行動することが多かったので、学部生時代に大学院の授業を聴講したり、志願してオックスフォード大学で講義を受けるといった経験を積んでいく過程で、自然と大学院でさらに知見を深めてより心が躍る経験をしていきたいと思うようになりました。

 

研究内容と人との出会い
ボスニアのヤイツェにおける、マイノリティリターンについての研究を行いました。紛争後社会において、多民族が共生する社会を再建するための手がかりを探るために、日夜研究に励みました。
研究においては、様々な人が手を差し伸べてくれました。指導教授の先生はもちろんのこと、OSIPPの先輩方や友人たち、後輩のみなさんなどには感謝の気持ちでいっぱいです。私はボスニアに3週間程フィールドリサーチに行ったのですが、現地で数多くの人脈を繋いでくださったOSIPPでの先輩である田中聡さん(JSPS特別研究員)、何日も家に泊めてくださりボスニアに住む人々の暮らしを体感させてくれたベストフレンド、モスタルにてボスニアでの活動をはじめとした様々な有意義なお話をしてくれた本学の卒業生でJICA勤務の橋本敬市さん、このような方々に出会えたのもOSIPPだからこそだと思います。ありがとうございました。将来、少しでも恩返しできたらと思います。

 

修士論文のスケジュール
私の場合は3年かけて博士前期課程を修了する予定だったので、2年次の2月から3月にかけてボスニアに行き、帰国後は就職活動と論文の執筆を同時並行で行い、試行錯誤しながら3年次の9月にある程度まとまった研究計画書を仕上げ、10月に草稿、11月に初稿、1月に完成稿という順に仕上げていきました。当時お世話になった中内政貴先生や、現在の指導教授である松野明久先生には日頃より手厚いご指導をいただき、大変感謝しています。

 

就職活動

愛知県の美術館にて

今年度(2021年度)の就職活動は、世界的に新型コロナウイルスが蔓延したこともあり、就職活動の内容が大きく変化した年だったと思います。私の実感では3月までは対面での説明会や面接、インターンが行われ、4月以降は完全にどの企業もリモートでの対応だったと思います。しかし、特殊な環境ではありますが、めげずにやり抜かなければなりません。そんな中でもOSIPPで培ってきた能力は役に立ちました。就職活動時や社会に出てから求められるロジカルシンキングや情報収集能力、自己アピール能力などは日々の講義や論文の執筆などを通して鍛えられます。相手の立場に立って物事を考え、伝えるということも様々な国籍やバックグラウンドを持つ人々や、異なる分野の研究をしている人々が共に過ごし、語らい、生活していくOSIPPでは必要とされることです。このように、就職活動時はもちろんのこと社会に出てからも磨いていくべき考え方をOSIPPでは学ぶことができました。

卒業後はグローバルに展開するIT企業に就職の予定です。OSIPPで培ってきた能力を生かし、社会をエンパワーメントしていきたいと思います。

愛知県の美術館にて