在学生

【院生投稿】中田淳さん(OSIPP博士前期課程)

OSIPP進学について

   ー 就職か大学院か、OSIPP選択の理由


 学部での外国語の修得や地域への知見を活用し、より専門的な研究を行いたい。そのためには自分は何をすればよいのか?学部四年生の当時、私が出した結論は大学院への進学でした。

 私は学部時には外国語学部に所属し、専攻であるアラビア語に加えて様々な言語や文化について学びました。しかし学部における学びのみでは、自らの研究を成し遂げることができないことが分かりました。そこで自らの研究に必要な知見を得るために大学院進学を決意しました。

 特に進学先にOSIPPを選択した理由としては以下の二点が挙げられます。まず一点目は充実した授業カリキュラムです。OSIPPでは主に法律・政治・経済に大別される各分野において、初学者であったとしても十分に有効な学びを得られるカリキュラムが用意されています。

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しかしこうした初学者向けの講義の存在は、低いレベルが設定されていることを意味しているわけではありません。なぜならば「入口」として初学者というレベルが設定されていたとしても、「出口」で求められるレベルは非常に高いものであるということです。またカリキュラムのレベル設定に加えて、様々な分野の講義が存在し、それらを必要に応じて受講できることも大きな魅力であると考えます。自らの頑張り次第で得られる機会の存在が、OSIPPの授業カリキュラムに反映されていると思います。

 二点目は先生方の多様性です。OSIPPにおいては、上記のように法律・政治・経済の各分野に関して、学問・実務の両面において多様な背景を持つ教員が在籍しています。そして自らの研究をより充実したものにするために、専門的且つ最先端の知識・経験を持つ先生方から指導を受けることができます。先生方も気さくな方が多い印象があり、「このことが知りたい!」と望む学生の「本気」に、常に真剣に応えて頂いていると強く感じます。また実務面における経験が豊富な先生も多数在籍しているため、現場の生の声を伺うことができます。そうした現場の実務についての知見を得ることは、自らのキャリアデザインを考える際に大きな助けになると考えました。以上の二点が大学院、特にOSIPPへの進学を私が決断した理由です。

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 この一年間のOSIPPでの大学院生活において、私は学問・実務の面で数多くの学び・経験を得ることが来ました。学問の分野においては、自らの思考の「軸」を定め、さらに関連知識を充実させることができたと思います。また実務面に関しては、研究機関におけるインターンシップを通じ現場の肉声に耳を傾け、業務を遂行することによって、様々な経験を積むことができました。

 次に私が見聞きし、そして実際に感じた就職に関する感想を、研究との両立の面から述べたいと思います。従来の就職活動と比較して、本年度からの就職活動との大きな違いは、各企業特に日系企業の採用活動のスケジュールが後ろ倒しになったことが挙げられます。昨年度までと比較して、企業からの内定を得る時期が基本的には四か月ほど遅くなり、八月からの夏季休業期間にずれこみます。こうした企業の採用活動の後ろ倒しは、修士論文執筆のための研究活動に影響を与えるのではないでしょうか。よって一年次から早い段階で修士論文執筆の準備を整えるべきだと感じました。これは公務員を志望する方々に対しても当てはまることです。入学時より研究活動やインターンシップへの参加を綿密に計画し、就職活動に備える必要があると考えます。

 最後になりましたが、将来OSIPPへ進学する方々と、共にアツいOSIPPでの大学院生活を送ることができる日を楽しみしています。

  ※写真は、2015年3月、カタールでのインターンシップ中のものです。