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早期修了プログラムご紹介~3つの早期修了~

皆さんの中に、「大学院での生活に興味はあるけど、6年間も学生生活をする費用も時間もないよ・・・」と進学を悩まれている方はいませんか。

 

 

 

 

確かに、博士前期課程(修士課程)は一般的には2年間通うものであり、学部入学から修士の学位を得るまでに6年の年月が必要とされています。ただしOSIPPの博士前期課程に進む学生には、いくつかのタイプの早期修了制度の選択肢が用意されており、ある一定の条件を満たせば6年よりも短い期間で「修士」の学位を得ることができます。

この記事では以下の3つのタイプの早期修了制度を利用した方々に、①早期修了制度を利用した理由や目的 ②メリット ③デメリットをインタビューし、比較した結果を掲載します。

 

【3つのタイプの早期修了】※下記期間は最短での所要期間
1. 学部卒業・OSIPP1年間
OSIPP進学後、修了要件単位取得と修士論文提出を最短1年で成し遂げ修了する
2. 大阪大学法学部4年間・OSIPP1年間
大阪大学法学部4年次在籍時に「科目等履修生」として卒業要件単位の一部を先取りし、OSIPP進学後最短1年で修了する
3. 大阪大学法学部3年間・OSIPP2年間
大阪大学法学部を1年早く卒業し、OSIPPを2年で修了する

タイプ 出願時期  出願条件の概要  具体的な条件
 OSIPP1年次の論文題目届提出期限(10月)※¹  一定以上の成績及び教員の推薦 国際公共政策研究科の申し合わせによる
大阪大学法学部3年次以降秋  一定以上の成績又は教員の推薦 国際公共政策研究科博士前期課程早期修了プログラム
大阪大学法学部1年次春 一定以上の成績 大阪大学法学部早期卒業制度運用規則

※¹通常、論文題目届の提出は2年次です。
※²詳細な出願条件・出願時期は表中のサイトから確認してください。上記の情報は2021年8月時点のものであり、今後変更される可能性があります。早期修了ご検討時には、お早目に担当部局にお問合せ下さい。
※タイプ3は、OSIPPではなく大阪大学法学部の制度となります。1年次の春に申し出ておく必要があります。そのあと年次毎に意思確認の機会があるようです。

 

1. 学部卒業・OSIPP1年間 OSIPP進学後、修了要件単位取得と修士論文提出を最短1年で成し遂げ修了する

(体験者)2019年度4月入学 2020年度9月修了 山谷昌輝さん

① なぜその早期修了を行ったのか
M1だった2020年1月にテキサスA&M大学のPh.D.プログラムからオファーがあり、同年8月からアメリカに進学することが決まりました。指導教員の松林哲也先生に相談させていただき、退学ではなく修士号を取得した上で留学するのが最善だという考えに至り、早期修了を目指すことにしました。
② メリット
実はCovid-19の影響で留学が延期になり、1年半で修士号を取得して留学に臨めるという想定していたメリットは崩れました。しかし代替案として進学したOSIPPの博士後期課程で、前期課程を短縮した時間を活用し1年間みっちり指導を受けながら実際に研究を行い、RAや関心のある科目を履修して研究スキルを磨けるという、思わぬメリットを得ました。
③ デメリット
M1の間は成績重視のため、単位を多く取得していなかったので、8単位分の授業を修士論文執筆と並行して春・夏学期で取らなければいけなかったのが大変でした。

 

2. 大阪大学法学部4年間・OSIPP1年間
大阪大学法学部4年次在籍時に「科目等履修生」として修了要件単位の一部を先取りし、OSIPP進学後最短1年で修了する

(体験者)2020年度4月入学 2021年度9月修了予定 小林祐美さん

① なぜその早期修了を行ったのか
学部時代に1年間の留学と半年間の国連ボランティアを経験した為、必修であった3-4年後期のゼミ(セミナー)の単位が物理的に取得できず、学部を5年間過ごすことが決定してしまいました。しかしゼミ以外の講義は既に受講しており、むしろ大学院レベルの講義を聴きたいと考えていた為、迷わず応募しました。
② メリット
学部時代から単位を取れるため、早くからレベルの高い講義を受け、国内外からの多くの院生とより長い時間を共に過ごせたことと、大学院に入ってからすぐに単位を揃えられたので、早期修了にも関わらず半年間を論文に丸ごと費やすことができたことです。
③ デメリット
本制度は、「早期」に修了できる、という権利を得るだけのことなので、本当に早く修了できるとは限らず、修了時期はまさに自分の能力に直結します。よって、自分の研究に対する能力の理解、計画性が中途半端であれば、集中できるはずのものも集中できなくなってしまいます。やりたいこと、知りたいことが山のようにあっても、実際に計画通りに論文を執筆していくという作業は私にとって大変な苦労でした。

 

3. 大阪大学法学部3年間・OSIPP2年間
大阪大学法学部を1年早く卒業し、OSIPPを2年で修了する

(体験者)2020年度4月入学 2022年度3月修了予定 岡春陽

① なぜその早期修了を行ったのか
法学部は卒業論文が無く、3年間で単位を取りきることが難しくありません。私は自分に甘い人間なので授業の無い4年生を無為に過ごしてしまいそうだなと考え、それならばその1年を強制的に有効に使えるように早く進学してしまうことにしました。
② メリット
大学院に在籍する時間は他の学生と変わらないので、修士論文を書く時間は短縮されず、時間をかけて取り組むことができます。また基本的に最年少で入学するので同級生から面倒を見てもらいやすいかもしれないですね(笑)。
③ デメリット
学部4年次を経験しないので大学生活で最も時間がある1年を手放すことになります。その分、大学院の勉強の予習が足りず入学後しばらくは苦労するなど、同級生と経験の差を感じる部分はあります。

 

OSIPPでの修士号取得にはいろんな方法があります。早期修了はもちろん大変な部分もありますが、大学院での見聞は自分の世界を大いに広げてくれます。ご興味のある方はぜひ、ご一考下さい。

(OSIPP博士前期課程 岡春陽)