セミナー・シンポジウム

「ASEAN Career Fair with Japan 2023」開催

「ASEAN Career Fair with Japan 2023」開催


2023年2月11日(土)、シンガポールのSingapore EXPOにてASEAN Career Fair with Japan 2023(以下ACF)が開催された。ACFは、ASEAN諸国の優秀な外国籍人材と日本のグローバル企業とをつなぐキャリアフェア(合同説明会および採用面接)である。このイベントは、国際公共政策研究科(OSIPP)の大学間交流プログラムとして実施されており、OSIPPと民間人材企業による産学連携のプロジェクトとして2013年から開催されている。新型コロナウイルスの影響で過去2回はオンラインでの開催であったため、今回は約3年ぶりの対面での開催となった。

 

第11回目の開催となる今回は、計14社の日本企業が出展し、参加した求職者の数は延べ451人に上った。参加者の多くは、ASEAN諸国のトップ大学に学ぶ学生やその卒業生である。参加者は、事前に成績証明書や履歴書などを提出することになっており、特に優秀な学生は渡航に係る費用を主催会社に負担してもらうことができる。こうした主催企業の取り組みにより、今回もASEAN全域から多種多様な人材が集まるジョブフェアとなった。会場受付には、イベント開始時間の1時間ほど前から大行列ができ(下の写真)、イベントの規模の大きさを物語っていた。

会場内には各企業のブースが設置され、ブースを訪問した参加者が企業説明に真剣に耳を傾ける様子が見受けられた。単に説明を聞くだけでなく、企業のスタッフと近い距離でやり取りができるのもこのジョブフェアの魅力である。どのブースも終日大勢の参加者で賑わいを見せ、企業と参加者間の双方向のコミュニケーションが活発に行われていた。参加者はその場で面接を受けることもでき、初めての面接に緊張する学生や当日内定を獲得する学生もいた。また、イベントの合間には無料のランチビュッフェも振舞われ、ランチを食べながら学生間で交流を楽しむ様子もみられた。

 

なお、会場にはこのイベントを後援しているOSIPPのブース(右の写真)も設けられた。今回は小原美紀教授、佐藤治子特任教授、筆者を含む学生4名により、OSIPPの広報を行ったほか、ジョブフェアの満足度や求職意識などについてのアンケート調査を行った。調査票の配布・回収などの作業を通じ、OSIPPから派遣された学生と参加者との交流も生まれた。同年代の学生たちが海外での就職を視野に入れ、積極的に自身のキャリアを築こうとする姿勢には、筆者自身も非常に良い刺激をもらえた。

(経済学研究科博士前期課程 野元聡真)

(左から3人目が小原美紀先生、その右が佐藤治子先生、その右が筆者)

 

ASEAN Career Fair with Japan Pre-event Symposium

Socially Challenged: Global Japanese Businesses and ESG

毎回フェアの前日には、参加する日本企業と東南アジアのキャリアオフィスのスタッフや教員を対象に、日本企業による海外人材の雇用・育成などに関わるテーマについてのシンポジウムとネットワーキング・レセプションを開催しており、今年はコロナ禍を経て約3年ぶりにシンガポール経営大学(SMU:Singapore Management University)での対面開催となった。今回のシンポジウムでは、日本企業における外国人や女性の雇用問題など、ESGの“S”(Society)に関する課題について、OSIPP、SMU、シンガポール国立大学ならびに日東電工からの報告があった。なお、OSIPPからはIAFOR研究センターに加えて、昨年からはESGインテグレーション研究教育センターが、SMUとともにシンポジウムの企画・運営を担っている。

IAFOR: https://www.osipp.osaka-u.ac.jp/iaforresearchcentre/
ESGインテグレーション研究教員センター:https://www.esg-irec.jp/