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薮中三十二特任教授OPEN教室「今後の日本外交―課題と展望―」

薮中三十二特任教授 OPEN教室 
「今後の日本外交―課題と展望―」


2015年10月13日、OSIPP棟2階講義シアターにて、薮中三十二特任教授による「今後の日本外交―課題と展望―」と題した公開講座が行われました。

 

 

本講座では、日本を取り巻く環境の変化について、①世界のパワーバランスの変化、②人種問題・宗教対立・テロリズム、③アジアの時代、という三つの切り口からの分析が言及されました。薮中教授は、とくに中国の経済発展について、米国の対中姿勢が厳しさを増していることを指摘した上で、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉妥結はオバマ政権や安倍政権にとって大きな成果であると評価しました。ただ、TPPに対する米国内の反応が否定的であることから、批准出来るかは極めて不透明であると指摘しました。また、南シナ海問題について、中国やベトナム、フィリピンなど各国の主張を中心に現状を紹介しました。

こうした環境の変化を踏まえて、これからの日本外交としては選択肢が二つ存在すると述べました。一つは、「中国を潜在的な脅威と見なし、日米同盟の強化をはじめとする日本の国防力の強化」であり、もう一つの選択肢は、「中国との共存を模索しつつ、ASEAN(東南アジア諸国連合)と連帯すること」であると説明しました。薮中教授は、日本の外交は今、後者を選択していると示唆しました。

(OSIPP博士前期課程 LIU PAN・中田淳)

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