大槻恒裕研究科長 就任インタビュー
2025.5.30

大槻恒裕研究科長 就任インタビュー
2025年4月よりOSIPP第15代研究科長に就任した大槻恒裕先生にインタビューを行いました。
先生が考えられているOSIPPの特徴や強みを教えてください。
OSIPPの特徴は、活気あふれる学びの環境です。まず、若手教員を積極的に採用しており、研究科に新しい風を吹き込んでいます。次に、留学生の入学も支援してきており、日本人学生と留学生が交流することで双方の国際性を伸ばすことができる場になっています。また、OSIPPの強みは、理論と実践を結びつけ、実際の政策に役立つ人材を育てていることです。最新の研究を通じて現実の問題に取り組み、みんなで必要な解決策を見つけることで、未来を切り拓く力を育んでいます。
2025(R7)年度以降に入学した博士後期課程の学生は、経済学または法学の学位も取得できるようになると伺いました。この制度変更について詳しく教えてください。
OSIPPでは、本年度から博士後期課程の学生が「博士(法学)」や「博士(経済学)」の学位を取得できるようになります。この制度変更は、公共政策を学ぶ学生にとって大きなメリットがあります。
まず、専門性が明確になることが重要です。新しい学位が加わることで、法学や経済学を専門とする学生は、就職の際や将来のキャリアにおいて専門を明確に示すことができるようになります。OSIPPの教員には法学や経済学の学位を授与することができる教員がそろっており、この制度変更が実現しました。
次に、学生にとっての選択肢が広がる点も魅力です。今までの国際公共政策の学位に加えて、自分の関心やキャリアに合った専門分野を選べるため、学びの幅が広がります。異なるバックグラウンドを持つ学生が自分の専門を深めるチャンスが増え、多様な視点で政策に取り組むことができるようになります。
多数の複雑な問題が存在する現在、横断的・学際的な学びを持つ人が求められる一方で、その問題を分析して答えを導き出すには高い専門性が必要です。OSIPPはその両方を兼ね備えた人材を育てられる環境を提供しています。専門性を客観的に示せる学位を取得できるようになることで、OSIPPで育った学生が客観的な指標とともにより社会で活躍できるようになることを期待します。
研究科長としてどのようなことに取り組まれる予定なのかを教えてください。
国際的な視野を育むため、海外インターンシップや海外でのフィールドワークへの支援を強化し、後期課程の学生にはさらに国内学での学会発表や国際会議への参加を支援します。また、人文社会科学系オナー大学院プログラムにおいて、2026年に社会科学系のリーダー育成プログラムが新設されますので、プログラムを通じて政策の分野で社会のリーダーとなり得る人材を育てていきたいと思います。さらに、国連機関との連携を強化し、学生がグローバルな課題に取り組む機会を増やすことにより、学生が国際的な舞台で活躍できる人材として成長することを目指します。
昨年、OSIPP創設30周年を記念して未来基金を設立しました。現役教員、退職した教員および卒業生の方々を中心に支援をいただく機会を増やし、現役学生への支援を拡充できるように努めていきます。
OSIPPに関心を持っている方や在校生に対してメッセージをお願いします。
OSIPPでの学びは、皆さんの未来を切り拓く貴重な経験です。若手教員の熱意と、多様な文化を持つ留学生との交流が、活気あふれる学びの場を作り出しています。講義の約半数が英語で行われる中で、世界的な視点を養い、実践的な政策立案に挑む力を身につけてください。
OSIPPは法学・政治学・経済学の専任教員を有し、それぞれの専門性を強めることが可能である国内では数少ない学びの場です。その一方で、専門が異なる人との交流の場でもあることから学際性を養うことができます。共に新しい知を紡ぎ、より良い未来を創り上げていきましょう。皆さんの成長を心から楽しみにしています。

オンラインインタビューの様子(左:筆者・右:大槻研究科長)
(OSIPP博士前期課程 奥野愛理)