2026.1.29

OSIPP Student Workshop の紹介
今学期から、毎週金曜日の昼休みに OSIPP Student Workshop (以下、ワークショップ)を開催しています。ワークショップは、学生によって自主的に企画・運営されているもので、OSIPPに所属し、主に経済学・政治学の実証研究を行う学生が参加しています。
ワークショップを始めたきっかけは、わたしがアメリカの大学を訪問した際に、部局が主催するセミナーに加えて、学生が企画し参加する学生主導のセミナーやワークショップに参加したことです。そこでは教員がいないため、研究の初期段階や未完成の結果に対しても、学生が活発にコメントを行い、気負わず率直な議論がなされているのが印象的でした。このように、学生が研究を発表するだけでなく、他の学生の研究にコメントする練習の機会を設けたいと考えたことが、ワークショップを立ち上げた理由です。日常的な交流の延長線上にありながらも、適度な緊張感を保ち、研究について腰を据えて議論できる場を目指しています。
秋冬学期のワークショップでは、博士前期課程の学生と博士後期課程の学生それぞれ7名、合計14回の発表が行われました。発表内容は、研究の途中経過の発表、研究アイデアの発表、因果推論手法に関する論文の解説など多様であり、議論することを重視しました。結果的に、修士論文提出前に幅広くコメントをもらいたい博士前期課程2年の学生、発表機会を設けることで研究を進めたい学生、学会発表に向けて質疑応答の練習をしたい学生、修士論文のアイデアを構想中の博士前期課程1年の学生など、さまざまな立場からのニーズがあることが分かり、それぞれの発表者の目的に合わせてワークショップが活用されました。発表内容の関心に合わせて、多様な年次の学生が毎回15名ほど集まり、45分の時間の中で発表と議論を行いました。昼食を取りながら参加できるリラックスした環境でありつつ、リフレッシュルームで友人同士が話す場よりはフォーマルな、ほどよい緊張感のある雰囲気です。
実際に開催してみて、いくつかの利点がありました。まず発表者にとっては、完全な発表を目指す場ではないため、研究で行き詰まったときに相談の場所として機能していた点です。ワークショップは、OSIPP Lunch Seminarのように教員から鋭いコメントをもらう場ではないかもしれませんが、その分気軽に途中経過について議論できました。実際、医療経済学分野における修士論文の構想を発表した博士前期課程1年の学生が、医療分野で働く他ゼミの社会人学生から現場の話を聞くといったやり取りなどもありました。また、発表者と参加者両方にとっては、それぞれの学生の具体的な関心や、現在取り組んでいる研究内容を互いに知ることができたことも大きな利点でした。履修している授業等を通じて大まかな研究関心を知ってはいても、同じゼミでない限り、各自の具体的な問いや研究内容までは把握できないことがあります。その点で、このワークショップは研究をめぐる対話が深まる貴重な場となりました。さらに個人的には、「コメントをしなければならない」という適度な緊張感を持って発表を聞き、積極的に発言することで、他の人の研究に対してコメントをするよい練習にもなりました。ワークショップでの経験を通じて、今後、他のセミナー等でもより自信をもって議論に参加できるようになりたいと考えています。
OSIPP Student Workshop は、2026年度も開催予定です。発表者・参加者ともに、それぞれの研究段階や目的に応じて活用してもらえればと思います。4月上旬にOSIPP生に向けて案内を行う予定ですので、関心のある方はぜひご参加ください。
(OSIPP博士後期課程 池内里桜)
