2019.10.21
南和志准教授インタビュー
OSIPPの基幹講座に新しく着任(2019年8月1日付)された南和志先生にインタビューを行いました。南先生は国際関係史を専門とされ、主に東アジア外交や米中関係の考察を行っています。
→これまでのご経歴を教えていただけますか?
学部時代は京都大学の経済学部に在籍していました。ミクロ経済学やマクロ経済学を学ぶ中で、現実は必ずしも理論通りに動いているわけではないことに気づき、国際関係の世界に触れ始めました。ゼミは国際政治経済学を専門としている先生を選択し、歴史学への興味を深めていきました。その後、ジョージ・ワシントン大学に1年間学部留学し、卒業後はテキサス大学オースティン校で博士の学位を取得しました。
→研究者を目指されたきっかけのようなものはありますか?
京大とテキサス大でいい指導教員に巡りあえたことに加えて、歴史学を学ぶ過程で、自分が研究に打ち込めていることに気づけたことが大きかったですね。現在の国際政治問題はまさに歴史の問題にリンクしていることから、歴史的なアプローチが紛争の解決に向けた一つの方法であると思います。
→これまでの研究について簡単にご紹介していただけますか?
1970年代の米中関係における、ニクソン訪中から国交正常化に至るまでの非公式外交を中心に研究しています。これまでの研究では、アメリカ国内の企業団体や女性団体によるボトムアップな相互交流が米中関係の再構築において大きな役割を果たしていたことを明らかにしました。
→OSIPP生に推薦したい図書はありますか?
最近刊行された日本に関する歴史書です。現在の日本の問題を考える上でも示唆に富んだ本です。
・Jennifer M. Miller, Cold War Democracy: The United States and Japan. Harvard University Press, 2019.
・Nick Kapur, Japan at the Crossroads: Conflict and Compromise after Anpo. Harvard University Press, 2018.
南和志准教授についての詳しい情報はOSIPP公式サイトでご覧いただけます。
(OSIPP博士後期課程 内輪雅史)