在学生

【院生紹介】JSPS特別研究員インタビュー(千坂知世さん)

今回は、OSIPP博士後期課程3年に在籍中で日本学術振興会特別研究員でもある、千坂知世さんにインタビューを行いました。千坂さんはこれまで、イランでの研究調査、論文執筆など様々な活動を精力的に行っておられ、インタビューでは研究員としてのモチベーションや研究内容といったものを伺ってみました。

 

 

研究者を志した理由や経緯をお聞かせください:

研究者を志したきっかけは、学部時代のアメリカ・カリフォルニア大学での10か月間の交換留学です。学部はペルシャ語を専攻していたので、留学先ではじめてPolitics and Religionといった政治学に関する授業を履修しました。その内容が非常に面白かったのでさらに理解を深めていき、自分の学部の専攻も活かすことができる研究テーマとしてイランの政治を研究対象にしたいと考え、OSIPPへの進学を決めました。博士前期課程修了後の2年間を社会人として働く中で、日本やイラン、また欧米の研究者の方々と意見交換する機会に恵まれたことで、自らも研究を続けていきたいと思うようになり、復学して今に至っています。

 

現在の問題意識、研究内容について教えて下さい:

テヘランの道端で販売される、革命当時の新聞

私はイランの現代政治、特に体制による選挙操作に着目して研究しています。イランでは4年に1度大統領選挙や国会選挙が開かれますが、一般の民主主義国の競争的な選挙とは違って、体制が立候補者を選択する(candidate selection)ことが憲法で定められているという特徴があります。ただ、この資格審査の傾向は常に一定ではなく、過去の選挙で失格になった候補者が承認されたり、逆に承認された候補者が失格になる場合もあります。このような差異に着目して、どのような場合に体制は選挙操作を強める、あるいは弱めるのか、といった問いを、現地で収集したペルシャ語資料を用いて定性的に分析しています。

 

これまでの研究や現在の研究活動をご説明いただけませんか:

2019年2月から2020年2月まで、テヘラン大学にてリサーチフェローとして所属し、現地調査を行いました。そこでは、自分の研究に必要な一次資料の収集を中心に行いました。また、テヘラン大学の受入れ教員の紹介で、現職の国会議員や選挙管理を担う法律家へのインタビュー調査も実施しました。以上の現地調査を基に、これまで査読付きの日本語の論文を1本、英語の論文を1本執筆しており、国内外の学会で研究報告も行ってきました。今後は、国際ジャーナルへ自分の執筆した論文を載せていきたいと考えています。

 

研究職を目指す後輩にメッセージをお願いします:

国際学会での発表

私から後輩へのメッセージとしては、博士号を取ってからの就職といったものは容易ではありません。もし博士課程への進学を決めているのであれば、自分のアドバンテージを常に磨いていくことが必要であると考えます。政治学においては、計量分析等の研究手法や英語と自分が関心のある地域で使われている言語の習得が挙げられます。現在は海外渡航が難しい状況ですが、海外の語学学校がオンライン講座を開いている場合もあるので、ぜひ活用してみてください。また、研究職を目指すにはやはり英語論文の執筆も必要になると思いますので、それらへも積極的に挑戦して下さい。

国際学会での集合写真

(OSIPP博士前期課程 高村武志)
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