【院生投稿】海東冴香さん(博士前期課程)
2021.1.14
現在、修士課程にあたる博士前期課程2年次に在籍中で、河村倫哉先生の研究室に所属しています。国際政治が専門で、在日ネパール人について研究しています。大阪大学の法学部国際公共政策学科からOSIPPに進学したので、阪大生活は6年目になります。卒業後は外資系企業に就職の予定です。
OSIPPでの勉強
政治学系の専攻は特に留学生の割合が高いので、授業は主に英語での開講になります。私は内部進学だったので、指導教員の先生の勧めもあって、大学院進学を決めた4回生の頃から大学院の授業を聴講したり、英語で行われている授業を取るようにはしていました。それでも、博士前期課程1年次(M1)の前期は授業の予習で英語の論文を読むことや、エッセイやプレゼン資料作成には非常に時間がかかりました。授業の予習が大変なので、M1の時には、つい修士論文の研究をサボりたくなるのですが、それではM2になってから苦労するのは明白なので、M1後期の授業では、自分の研究を英語でライティングする、プレゼンするという内容のものを取ることにして、毎週何らかの研究の進捗を発表しなければならない環境にしておきました。
M2の1年間は修士論文を書くことがメインになります。私の修士論文執筆にはインタビューが必要だったので、夏前までにインタビューの内容を詰める、インタビューできそうな人やインタビューできる人を紹介してくれそうな人とのコネを作ることに力を入れていました。その後、夏〜秋でインタビューを終え、修士論文を書くとすぐM2は終わります。
大学院生活
大学院生の生活は勉強の時間が多くなって、学部生のときのような長時間のアルバイトは難しくなるかもしれません。しかし、大学内で専門性を生かしたアルバイトができるようになります。例えば、授業のTA、図書館のTA、高校生の研究指導、大学院の広報のお手伝いなどです。学内でできるアルバイトは、時間を有効に使えますし、勉強していることを生かした仕事ができるので、学びが多く楽しく働けます。
また、授業や研究室の人数が学部生の時より少なくなるので、国籍や年齢を問わず、色々な人と仲良くなれます。OSIPPには様々なバックグラウンドを持った学生がいるので、今までの生活では出会わなかったような人たちにたくさん出会うことができる刺激的な環境です。そこから自分の考え方が変わったり、将来どんなことをしていきたいかなど考えさせられることがたくさんあります。
就職活動について
文系の大学院卒は就職で煙たがられるという噂が世間的にはありますが、先輩や同級生の話を聞く限りそうは感じません。私も就職活動をしてみて、修士課程において就職活動をするのは様々なメリットがあると思いました。
まず、就職活動で必要と言われているロジカルシンキングが大学院での勉強で鍛えられていることです。論文を書く、読む、授業でのディスカッションに参加するということは、それらが正しいロジックで構成されているか、必要十分な情報が揃っているのかを、常に考えなければいけません。日々、予習や研究のため論文を読んだり、論文を書いて先生からご指摘をいただいたり、ディスカッションへの準備をすることで論理的思考力が自然と鍛えられます。
次に、自己アピールの話題においても、学部生の時に頑張った事に加えて、修士課程での研究活動の話などもあるので話題の引き出しが学部生より豊富であり、その分有利だと感じる場面はありました。
私個人の経験としては、外資系の企業はM1の夏休みにインターンや採用試験を受けられるところが多く、日系企業より早く内定をもらえることが多いので、修士論文に集中したいM2の時に就職活動で悩まなくてよかったことはありがたかったです。また、採用試験に関しては、OSIPPの先生方は論理的思考のプロなので、私はエントリーシートのチェックをお願いしたのですが、先生からOKをいただいた文章を提出した企業には全く落とされませんでした。
大学院生の生活は決して楽ではありませんが、学部生では経験できないような新しい学びがたくさんあります。大学院は研究者になりたい人だけが行くところではなく、まだ見ぬ世界に飛び込んでみたい人にはとてもおすすめの環境です。
M1時にゼミでのミーティングでよく使用した会議室にて