【院生投稿】千馬あさひさん(OSIPP博士前期課程)
2021.6.4
【院生投稿】千馬あさひさん(OSIPP博士前期課程)
私は大阪大学法学部国際公共政策学科からOSIPPにこの春進学しました。修士課程にあたる博士前期課程1年次に在籍しており、現在はコースワークに励んでいます。 今回は、大学院進学を決めた理由、OSIPPを選んだ理由などをお話ししたいと思います。 (写真:鳥取県砂の美術館にて 2019年9月撮影)
進学することに決めた理由
私が大学院進学を決意したのは3年次の後期でした。きっかけは2年次に始まったゼミです。そもそも大学入学時には、卒業後の進路に大学院進学という選択肢はありませんでした。
卒業後の選択肢として進学を考え始めたのは2年生の後期です。前期から始まったゼミで、考えることや研究することが楽しいと感じたことがきっかけでした。ゼミでは、1年を通じて因果推論の考え方やR(定量研究の為の統計ソフト)の使い方を学びながら、自分で分析を考えて実行し、最後にはそれを論文にまとめました。先生やゼミの先輩や同期にアドバイスをもらいながらも、初めて自分で分析をしてその結果をまとめることができたとき、その過程も含め楽しんでいた自分に気が付きました。それと同時に自分の思考力不足や知識不足も感じており、より深いところまで考えたり、質の高いものを書いたりしたいとも思うようになりました。大学院に進学すれば、それも達成することができるのではないかと考えており、大学院進学も選択肢の一つではないかと思い始めました。
3年次には2年次よりも力を入れて研究に取り組みました。その1年間を通じて分かることも増え、さらに勉強したいと考えるようになり、大学院進学への意欲も増していました。就職とも迷いましたが、就職を選ぶと後々後悔することになると思い、大学院進学を決めました。
なぜOSIPPだったのか
大きく分けて2つ理由があります。それは、①興味関心のあるトピックが定まらなかったから ②博士前期課程は2年間と短いため、その中でかかるコストを最小限にしたかったからです。それぞれの理由について以下で説明したいと思います。
理由①:興味関心のあるトピックが定まらなかった
私は学部時代に経済系の授業を多く履修しており、大阪大学の経済学研究科も進学先の1つとして視野に入れていました。しかし、興味関心のあるトピックの幅が広く、時には政治系のトピックに興味をもつこともありました。例えば、景気に変化を与える要因に関するトピックや、政治分野への女性の進出に関するトピックです。実際に、学部時代には経済系寄りの論文(ポジティブな出来事が経済に与える影響)を書いたり政治系寄りの論文(候補者公募制度は新人女性候補者を増加させるのか)を書いたりしていました。 また、自分が大学院で習得したいと考えている能力は、1つの分野にこだわらず、様々な問題について考えることや取り組むことができる能力でした。OSIPPは法学・経済学・政治学という多くの分野に精通した先生方や、様々なバックグラウンドをもつ学生がいます。自分の興味の赴くままに、様々なトピックについて知識を吸収したり、考えたりするためにOSIPPの環境は自分に適していると考えました。
理由②:コストを最小限にしたかった
コストにもいろいろありますが、私が最小限にしたかったコストは、新しい環境に慣れるためにかかる時間的・精神的コストと生活費などの金銭的費用です。2年間勉強や研究に集中するために、特に前者を重視して考えました。 新しい環境での生活が始まると、一から人間関係を作ったり、生活リズムを作ったりする必要があります。高校や大学学部生時代を振り返ってみて、私が環境に慣れたと感じたのは入学してから約3か月が経った頃でした。博士前期課程は2年間しかなく、その限られた時間の中で勉強・就活・研究をこなす必要があります。学部時代を大阪大学で過ごしていたので、人間関係や生活リズムは学部時代につくったものを元に大学院生活を始めることができるということは、私にとっては大きなアドバンテージでした。 また、学部生時代から下宿していたので、他の大学院に進学するとなると、引っ越す必要がありました。その場合、新しくマンションを探す必要があったり、引っ越し費用がかかったりして、時間もお金もかかってしまいます。 自分の環境に適用するためのキャパシティと費用を考慮すると、大阪大学に残ることが私にとって最善の選択肢でした。
現在の状況と今後について
現在は、基礎知識を固めるために経済系の講義を中心に受講しています。まだ研究テーマは確定していませんが、学部生時代から関心を寄せている女性の政治進出について松林先生のもとで研究する予定です。卒業するまでに交換留学をしたいと考えているので、英語の勉強も同時に行っています。また卒業後は就職する予定なので、まずは夏のインターンシップに向けて準備をしています。
現在の心境など
入学してまだ2か月ですが、OSIPPに進学してよかったと実感しています。現時点での授業は緊急事態宣言によりオンラインで受けているので、同期と会う機会はありませんが、新しいことを学ぶことができ、分からないことがあれば先生と簡単にコンタクトをとることもできます。2年間はあっという間だと思うので、卒業するときに悔いが残らないように、勉強や研究に励みたいと思います。
池田市水月公園にて(2021年3月 マスクを一時的にはずして撮影)