セミナー・シンポジウム

今田克彦氏(外務省国際法局海洋法室長) 特別講義

2021年7月9日、豊中キャンパスOSIPP棟の講義シアターにおいて今田克彦氏 (外務省国際法局海洋法室長)による特別講義が実施された。会場では感染症拡大防止策を徹底したうえ、オンライン参加も可能なハイブリッド形式で行われ、70名を超える学部生・大学院生が参加した。

 

 

特別講義に先立って、星野俊也先生(OSIPP教授・前国際連合日本政府代表部大使)より挨拶があった。今田室長と星野教授がニューヨークの国連代表部でともに働いていた時代の今田室長の仕事ぶりなどについてご紹介が行われた後、特別講義「外交実務と海の国際法」が始まった。
講演の冒頭では自己紹介として、外務省入省後にご担当された業務について述べられた後、外務省設置法第3条・第4条を引用しながら、「平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに、主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること、並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図る」という外務省に与えられた任務について解説された。

引き続き、今田室長が現在ご担当をされている、「海の憲法」とも呼ばれる国連海洋法条約について解説が始まった。実際に外交実務でご担当されている事案を交えながら、同条約によって実現された海域分類の意味を「領域主権」と「公海自由」の両面から理解することの重要性について詳細な解説を伺うことで、受講生たちは海洋をめぐり現在の国際社会で発生している様々な問題を理解する上で必要不可欠な視点を学ぶことができた。

講演後には、学生たちから安全保障分野における外務省の役割や防衛省との連携、外交実務において成果を出すために心がけていることなどについて様々な質問が寄せられ、今田室長はそれぞれの質問に対して丁寧に解説された。日本の国益だけでなく、グローバル公益のために国際外交の最前線で活躍される今田室長による講演と対話は、次世代を担う若者たちにとって何物にも代えがたい貴重な財産となった。