在学生

【院生投稿】池内里桜さん(法学部国際公共政策学科・早期修了プログラム)

私は現在、大阪大学法学部国際公共政策学科の4回生ですが、OSIPPの博士前期過程早期修了プログラム(以下、早期修了プログラム)の科目等履修生として大学院の授業を履修しています。この夏に院試を受け、来年度からOSIPPで正式に博士前期課程(修士課程)の学生になることを目標とし、学部の勉強と並行しながら研究を行っています。

 

 

大学院進学を決めた理由

現在の指導教員であるOSIPP准教授鎌田拓馬先生が担当していた授業を3回生の春夏学期に受けたことが、大学院に進学するきっかけとなりました。        

授業やゼミでは2回生の時から計量経済学や因果推論を学び、それらの知識を利用できそうな民間のリサーチ関連の仕事に就きたいという気持ちがあり、大学院進学は念頭にありませんでした。しかし、鎌田先生のEconomics of Crimeという授業で実証研究の論文を読み、その内容についてディスカッションをする機会を得たことが転機になりました。授業内でたくさんの論文を読むにつれ、純粋に「研究がおもしろい」と感じるようになりました。特に、これまで教科書で学んできた計量経済学の手法が実際の事象に応用され、政策に示唆をあたえるような証拠が示されていることが興味深いと思いました。また、OSIPPとの同時開講だったこの授業で大学院生と共に授業を受けたことで、自分の思考力の未熟さや知識不足を感じ、もっと学びを深めたいという意欲が湧いてきました。

 

OSIPPを選択した理由

さまざまな大学院の選択肢がある中でOSIPPを選んだ理由は、①興味のある研究ができる環境が整っていたこと ②早期修了プログラムが利用できたことの2つが挙げられます。

①  興味のある研究ができる環境が整っていたこと

地元京都で今春撮影した写真

私は計量経済学や因果推論、データ分析などの経済学や統計学を中心に学部で学んできたと同時に、それを不平等・格差(主に人種やジェンダー格差)といった社会学的なトピックに応用することに興味があります。例えば、ある政策や出来事が、どのように異なる人種やジェンダーのグループ間の関係に影響を与え、どのような異なる効果をもたらすのかのようなことです。OSIPPには計量経済学や因果推論に精通している先生方が多くいらっしゃいますが、その中でも鎌田先生は社会学の分野で実証研究をされているので、その2つの興味を両立できることが魅力的でした。

➁  早期修了プログラムが利用できたこと

進学するかどうか迷っていた時、最後の一押しになったのは早期修了プログラムの存在でした。OSIPP進学について調べるうちに、早期修了プログラムを利用して4回生から大学院の勉強を始めることで、学部の勉強から大学院の勉強にスムーズに移行でき、学部卒業後1年間の院生生活で修士号取得が可能だということを知りました。大学院進学を選択するなら、できるだけ早く本格的に研究をしたいという気持ちがあったので、この制度を利用しOSIPPへ進学することを決意しました。

 

※早期修了プログラム

この制度にはいくつかのパターンがありますが、私が利用しているのは、学部4回生の時からOSIPPの単位を取り始めることで、博士前期課程を1年で終えトータル5年で学士号と修士号を取得可能にするパターンです。一般的には6年を必要とする過程なので、時間的にも経済的にも効率の良い制度です。私の場合は、3回生までに学部の単位をほとんど取っていたので、3回生の秋にプログラムの申請をし、4回生となった今学期は残りの学部の授業を2コマと大学院の授業を2コマ取っています。

ただ、学部・大学院のコースワーク、院試、論文執筆、就職活動が同時に押し寄せてくるので、想像以上の慌ただしさを感じています。そのため、指導教員や先輩に相談しながらどの時期に何に力を入れるかを計画しています。多忙ではありますが、3回生の時から変わらず、鎌田先生をはじめ、授業を担当してくださるOSIPPの先生方に親身になってご指導いただき、学びを続けるには非常に恵まれた環境だと感じています。

 

研究内容

学部のゼミから引き続き取り組んでいる研究テーマは「文化的なイベントが人種間の不平等に関する考えを変えるか」です。具体的には、アフリカ系アメリカ人の俳優がアメリカ建国の父を演じるミュージカル「ハミルトン」が有名な賞を受賞することで、アフリカ系アメリカ人の不利な社会的地位を引き起こす原因についての考えが変わるかを、世論調査のデータを利用して分析をしています。この春休みにアメリカのシカゴの学会で学部生のポスターセッションで研究発表をする機会を得て、初めて学会に参加してきました。学会でたくさんのフィードバックをいただいたので、現在はその内容を論文にすべく、執筆に取り組んでいます。
(写真:ポスターセッション時、自分のポスター前で撮影)

 

将来のこと

博士前期課程修了後の進路はまだ思案中です。この夏に民間企業のインターンシップに参加しながら、博士後期課程に進みたいか就職したいかを考えたいと思っています。学部4年次の今の段階で博士前期課程修了後の進路を考える難しさを日々感じていますが、日々の勉学に邁進しつつ、進学や就職などさまざまな選択肢を検討できればと思っています。

学会後に立ち寄ったシカゴ美術館での写真