卒業生近況 ジョーダン絵里さん/東京三菱UFJ銀行ロンドン支店勤務
2015.3.13
幼い頃をマレーシアやフィリピンで過ごしたジョーダンさんは、当地での貧富の差に疑問を抱いたことをきっかけに、イギリスの大学で国際政治を専攻し、アフリカ政治や飢餓・貧困問題を中心に学ばれました。2006年にOSIPPに入学し、在学中にはUNHCRマレーシア事務所でのインターンや町村元外務大臣へのインタビューなど様々なことに挑戦されました。
修了後は、株式会社日本能率協会コンサルティングへ入社されました。ジョーダンさんは入社当時を振り返り、多くの苦労を経験したが、コンサルタントの仕事を通して「顧客が期待する価値を提供すること、経営層のさらに上の視点で物事を観察すること」の重要性を学んだといいます。同社で約4年間勤務した後、アフリカでの国際協力に携わりたいという強い思いから2年間休職し、青年海外協力隊としてウガンダで活動されました。ウガンダでは、一方的な支援による援助依存と支援側の援助疲れの悪循環など、国際協力の負の側面を目の当たりにし、その経験から、現地の人々が実際に「働くこと」が重要であると強く感じたといいます。そして、現地の女性のための雇用創出を目的とした組織(Pearl Woman Organization)を設立され、青年海外協力隊として2年間活動した後、組織の運営を現地の女性に託して日本に帰国されました。帰国後、休職していた会社を退職し、2014年3月にウガンダの雇用創出・経済発展の実現を目指し、貿易会社Green pearl株式会社を設立されました。同社は、ウガンダで栽培した胡麻を日本へ輸出する事業の構築を目指したもので、徐々に経営も軌道に乗ってきているといいます。現在はイギリス人男性と結婚したことをきっかけにイギリスに在住し、会社経営を親族に任せ、株式会社東京三菱UFJ銀行ロンドン支店で勤務されています。
このように常に活発に活動を続けるジョーダンさんですが、政治学のみならず国際法や統計学など様々な領域を学び、多角的な視点から物事を研究し、自身の意見を構築し発言したOSIPPでの経験が、コンサルタントの仕事や会社経営など、現在の仕事にも生かされているといいます。最後に、院生へのメッセージとして、「社会・世界の中で自分はどうありたいかを在学中から意識し、理想の姿に少しでも近づくための努力をし、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい。辛い経験も次に生かされるだろうし、人生の限られた時間の中で、すべてを全うすることは出来ないので、後悔しない自分らしい生き方をしていってほしい」と、自分らしい生き方を貫くジョーダンさんから激励の言葉が送られました。
(OSIPP博士前期課程 栗山緋都美)